見出し画像

サヤの出汁で味重視の豆ごはん。

豆ごはん。
筍ごはんと共に
春の炊き込みご飯を引っ張る大御所。

豆ごはんは、塩、昆布、酒をベースにする炊き込みごはんだ。
この系統は他にも、栗、芋、銀杏、枝豆、ムカゴ、などなども仲間だ。

これらの共通点は、甘味がある事と、淡い味ということ。
醤油やみりんを入れ甘辛くすると素材の仄かな甘味や香りが負けてしまうので、塩と昆布と酒くらいにするのが良い。

画像1

ムカゴと銀杏のご飯も好き。


ただ、豆ごはんのエンドウ豆って値段のわりにサヤを外すとちょっとしか無かったり、意外と割高な気もする。

だから今回は豆がちょっと少なくても美味いレシピだ。
何かもったいないなぁ~と思うあのサヤを使ったりして、豆の無い場所もしっかり美味くする。

いくつかのポイントを抑えたら絶品の豆ごはんできますよ。


・材料

米:3.5合
モチ米:0.5合
エンドウ豆:200g(正味80gくらい)
塩:小さじ1
酒:大さじ2
薄口醤油:小さじ1
昆布:一枚

モチ米は必須。詳しくは後ほど。
エンドウ豆はサヤも使うし、サヤから外して時間が経つと固くなるのでサヤ付きを。
剥き身で80gあれば十分。

濃口醤油しか無い場合は小さじ1/2で、塩を1g増やす。
酒は飲む用を使うと美味しい。
シンプルな料理は特に調味料の差が出やすいので、塩や醤油もこだわると美味い。

・作り方

下準備
・米を研ぎ30分~1時間浸水する。

・昆布出汁を取る
余裕があれば前日から水に漬け、60~80℃くらいで1時間煮る。
忙しい時は昆布ごと炊いても良いけど、粘りやえぐみが出やすいので注意。
残りの昆布は味噌汁の具にしたり、煮物にしたり。

画像2

①豆を剥く。

豆と皮を別々によく洗う。

画像3

②サヤを煮出す。

昆布出汁でサヤを5分ほど茹でて冷ます。
サヤの味を出汁に滲み出す
昆布出汁を取る余裕が無い場合は、火を止めたタイミングで昆布をいれるでもOK

・サヤについて。
エンドウ豆のサヤは基本的に食べない。
が、筋と内側の薄皮を外せば食べれなくは無い。

刻んで炒めたり、茹でて食えなくは無いけど、処理がかなり大変だし、筋っぽくてちょっと青臭い。
枝豆の皮と似てる。

良い感じの食べ方を見つけれたら報告しますが、とりあえず今回は出汁にしますね。

画像4

③炊く準備

米の水分を切り、酒、塩、醤油を入れてから②の出汁をいれる。
今回は米4合(内0.5合はモチ米)に水分は3.2合分くらい。

炊き込みごはんを炊く前の味は、お吸い物より少し濃いめが目安。

画像5

④豆をいれて炊く。

炊飯器によりけりだが、今回は普通に炊飯モード。

料亭や和食屋では豆の色を大事にするので、豆の煮汁で米を炊き仕上げに豆混ぜるのだが
味を重視するなら一緒に炊いた方が美味いと思う。

画像6

⑤炊き上がり。

水分が少なめなので粒がしっかり立っている。
モチ米を混ぜると、水分少なめでも美味しくなる。

豆は潰れやすいので優しく混ぜること。
昆布をいれて炊いた場合はこのタイミングで取り出す。

・完成!!

画像7

艶々だ~~~~!!
豆の甘味はもちろん美味いんだけど、昆布、サヤ、酒、醤油の味がする米が美味い。
ちょっと良い日本酒を使ったのもあり、けっこう香る。

モチ米はちょっとしか入れてないのにしっかり主張する。

ちなみに今日の献立は

画像8

豆ごはん ホッケの干物
茹で鶏の和風サラダ
焼き野菜 筍の味噌汁

でした~!!
春めいた食卓になってきた。


・モチ米について。

モチ米はこの料理の要だ。
ひとり何役やってんだってくらい大事。
アンパンマンにおける山寺宏一さんくらい役の重複をしている。

1役目:主食
まずは普通に主材料としての役割。
うるち米よりも満腹感を与えやすい。
2役目:粘り
豆ごはんは水分少なめで粒を立たせた米が合う。
単純に水分を減らすだけだとパサついた固いご飯になってしまう。
だが、少量でもモチ米をいれると水分をしっかり保ち、粒立ちと粘り気を両立させてくれるのだ。
3役目:甘味
豆が少ない時はちょっと甘味が弱くなる。
でも、モチ米は通常の米より甘いので、この甘味でかなりカバーできる。
豆の甘味と、モチ米の甘味は近い物があるので相性も良い。

これにおけるモチ米の大事さ分かりましたね??
凄いんです。


・冷めても?冷めてこそ!美味しい

画像9

この豆ごはんは冷めることで甘さや塩気の輪郭がハッキリするんです。
もちろん炊き立てホカホカにも魅力はありますが、冷めてからのコイツは本領を発揮してきます。

人間の味覚って結構曖昧で
塩気熱いと弱く感じ、冷めたいと強く感じる。
甘味高温、低温で弱く感じ、人肌くらいで強く感じる。
んです!!つまりは……分かりますね??

あと、米は冷めるとちょっと固くなって噛む回数が増えるので、唾液の量が増えてデンプンが分解されやすくなり甘くなるんです。

炊き込みごはんの中でも、塩系の物は冷めると一段と美味くなります。
お弁当とかに最高でっせ。

モチ米を混ぜておく事で、冷めてもモチモチ感が継続されるので、モチ米は優秀なんです。

今はみんなでお花見とかピクニックはできないけど
少人数だったり、1人だったりで外にいっておにぎりを食べるのもいいかもね。

この記事が参加している募集

みんなでつくる春アルバム

いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。