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変化に適応できない人物像

みなさんこんにちは!工藤です。

社会変化の激しい昨今。本日は変化に適応できない人々に対して、処方箋となる一冊をご紹介します。

劣化するオッサン社会の処方箋/山口周/光文社新書

なかなか刺激的なタイトルです。

冒頭ではタイトルにもある「オッサン」の定義が述べられています。

「オッサン」という用語は、単に年代と性別という人口動態的な要素で規定される人々の一群ではなく、ある種の行動様式・思考様式を持った「特定の人物像」として定義される、ということです。
しかして、その「特定の人物像」とは次のようなものです。

 1:古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を拒否する
 2:過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない
 3:階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る
 4:よそ者や異質なものに不寛容で、排他的

(中略)
このような傍若無人な振る舞いをして自らを省みない人々であり、その内容は必ずしも「中高年の男性=オジサン」全体に適用されるものではない、ということをここに断っておきます。

古い会社・大きな会社ほど、出現率が高い人物像かもしれません。

私もしばしば遭遇したことがあります。

 

本書は2018年に発行されていますから、現在の社会変化が起こる前に執筆されています。

2018年までは、まだこれらの「オッサン」たちも、既得権を持ってのんびり過ごせていたのかもしれません。

しかし、もうそろそろこの人たちが今の席から外れてもらうか、変化をしてもらわなければ、崩壊する組織が続出するのではないかと思います。

 

🥚問題解決のアプローチ

本書では、問題解決のアプローチには大きく3つの種類があると述べられています。

①ランダム(アート)
 直感によって回答を得る
②ヒューリスティック(クラフト)
 経験則によって回答を得る
③オプティマル(サイエンス)
 論理によって回答を得る

この3つの中で、一般的に「オッサン」が優位に持つ能力は、②の経験則です。

しかし、本書にある下記の指摘は最もだと私は思いました。

向き合う問題が年長者にとっても若者にとっても新しい問題なのであれば、問題解決の能力はむしろ若者の方が優れている

つまり、社会変化も激しくなり、新しい問題に遭遇する機会が増えている。

過去の経験は不良債権化しやすい。

だからこそ、「オッサン」を無条件に尊重しようという幻想は捨てましょう、ということです。

 

また、ここまで劣化したオッサンが大量出現した理由は、中堅・若手からのフィードバックの欠如であると述べられています。

これも同意せざるを得ません。

影で文句を言うのは簡単です。

大抵の組織で抑圧された中堅・若手の愚痴を耳にしてきました。

しかし、そんなことをしても何も動き出しません。

フィードバック・意見として形にしなければならないということです。

それが無理なら、脱出する。

どちらもしないで毎日を過ごしていることは、「オッサン」を支持していることと変わらない。

または、自らも「オッサン」に近付いているのかもしれません。

本書を読み、私も自戒が必要だと思いました。

 

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