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ピアノのトラウマ解消のプロセス(2022.7.11)

ふと思い立って、シナプスを書き換える作業をしてみた。指を繋げて弾くことで音を繋ごうとするのをやめる、一音一音離す、音が自ら遠くへ飛んで、飛んだ先で調和して響き合うに委ねる。誰かにこのやり方を教えてもらったわけじゃないから、これでいいのかはわからないが、今はいいとか悪いではなくて、私が出したい音を、その感覚を、信じたい。中学くらいから、私が出したい音じゃない、違うよ、これじゃない、この音は心から出た音じゃない、美しくないよ、っていう耐えられないほどの絶望感が、攻撃的なジャッジで私を襲うようになった。でも、はじめて「出したい音ってどんなかな?こうかな?」って現状の否定ではなく願望に意識を向けた途端に、たった1音を鳴らすことが、とてつもなく豊かで楽しいものになった。ポーンと鳴らして、2秒後くらいに、身体にどう浸透するのが美しいと思うか?自分の好みを観察することがこんなに楽しいなんて。美しいと思えないものを頑なに美しいと認めなかった過去の自分のことを、どれだけそれで傷ついて、ピアノが弾けなくなって、中学〜大学卒業頃までを棒に振ったように思えるとしても、私はそれでもその判断をした過去の自分に、今はとても感謝している。
シナプスって凄くて、次の指に行こうとするとこれまでの習慣で、勝手に神経同士が繋がろうとする意志を感じる、そして、うまく繋がなきゃって一瞬緊張が走る。集中して指の移り変わりと感情を観察してると、一瞬、どろどろとした暗闇みたいなものが心を覆い尽くす。2本の指で、たった2音を奏でる間に、こんな不安を感じていたなんて。1曲弾くだけで拷問並みの苦痛が伴うに決まっている。10本の指それぞれに結ばれたシナプス、身体記憶。それが組み合わされてできた「曲」という時間。苦痛が、絶望感が教えてくれていた現状の違和感と理想。絶望感は、いかなるときも私を見てくれて、本当の気持ちを表現してくれる。素直すぎる身体も、ぎこちない演奏と緊張状態でもって、自覚できていない潜在意識を意識に上らせてくれる。
ピアノ弾くことを嫌いだって本当の気持ちに蓋をして、縋るように精神世界を探求した結果、本当は自分が奏でたい音があること、ピアノを弾く時間を、それを選択する自分を好きになりたいという気持ちを思い出せたなら、これでよかったのだ、と前を向いて生きていけます。いつか、心から、聴いてほしいなと思ったときは、受け止めてくれる?

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