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女の子として生きている、ということ。



女の子として生きていること、それは私にとっては少なからず楽しいこと。
メイクをして、スカートをなびかせて、女の子を楽しむ、ウキウキと。

だけど、時には女の子として生きている、ということを悲しく、時には恐怖に感じることもある。




単刀直入に言う、私はセクハラを受けた。




それはつまり、”女性”として見られ、あってしまったこと。


しかも退職3日前から。最後の最後になんてこった。

私の職場は関東にある製造業でほとんどが男性の職場環境。
とは言え、特に不便は感じなかった。
むしろ、毎日楽しく過ごせた。

だからこそ、自分が”女性”ということを意識する場面がなかった。
自分自身に「危機感がなかった」と言われてしまえば、その通り。かと言ってなぜ危機感を持ちながら、毎日仕事をしなければならないの?と言いたいのは我慢。


この投稿は、書き起こすか悩んだ、とても。だって体力を使うもの。思い出したくない。けど、これからの私のために、記録しておくことにした。既に泣いているから、文章が支離滅裂でも許してね。セクハラで悩んでいたり、これから社会に出る女の子がこれを読んで、少しでも被害を事前に防げますように、と想いを込めて。


・・・


その日は夜勤だった。
昼間と違い人数もごく僅か、所々しか電気が付いておらず、その他は懐中電灯で足元を照らしながら歩かないといけないほどに暗い。

コロナ対応のため、特設で作られた夜勤組。私以外ほとんど知らない人だった。
女性は私一人。少し不安だったけど、与えられた仕事をこなせば良い、と楽観的に考えていた。

作業を始めて数時間が経った頃、その夜勤班の1番偉い人、班長のような人が話しかけてきた。
私は事前に怖い人と聞いていたため構えていた、けど実際はとても話しやすかった。

そんな風に話している時、一緒に他の作業の見回りに行こうと言われた。

もちろん断る理由はない。

真っ暗の中付いていくと、他の作業者に会った。そして班長はその作業場の説明をしてくれた。今まで自分の作業場以外を見たことがなかった私にとって、とても楽しかったし嬉しかった。


見回りが終わりに差し掛かる頃、一層暗く閉鎖的な場所に来た。
少し怖かった。
けど、ただでさえ迷路みたいな真っ暗な工場内、付いていくしかなかった。

ふと、班長が立ち止まって振り返って話し始めた。

「ここは普通の社員はこない場所なんだよ」

「つまりここで僕が君を抱きしめても、誰にもわからないんだよ」



怖かった。



文面だけ見たら気持ち悪い、という感情が強い。けれどその時の私には恐怖しかなかった。


どうしよう、どうしたらよいのか


そう立ちすくんでると、抱きしめられた。

動けなかった。

ハッと我に帰った私は、ヘラヘラと笑って班長の背中を叩いた。
気まずい雰囲気が苦手な私、これはガチの雰囲気じゃなくノリだとしたかった。
だからヘラヘラと笑うしかなかった。



私がセクハラと受けてる、と認めたくなかった。



そしてその場所を移動する前にもう1度抱きしめられた。移動中は手を繋がれた。
「今までこんな風に男性社員からされなかったの?」「こういう男性は嫌?」と聞かれた。班長は完全に楽しんでるとわかって、悔しかった。


次の日、夜勤に行きたくなかった。
身近な人に「助けて」の4文字が言えないまま、あっという間に出勤の時間になった。

班長からの「見回り行こう」という言葉に怯えながら仕事をした。

出来るだけ離れた場所で作業をした。
けれど声をかけられた。


「今日も見回り行こう」


怖い、怖い、怖い。けれど断る理由がなかった。いや、仕事の指示を出すのは班長だ、断れなかった。

横を歩かず後ろを歩いたり、「今日もダメ?」との問いにも「ダメです」とちゃんと返せた。今日は大丈夫だ、と。
自分で出来ることはした。

けどダメだった。

不意に後ろから抱きしめられた。



私は弱かった。
結局勝てなかった。




帰り道、行き場のない悔しさと恐怖に泣きながら帰った。午前3時30分、コンビニしか空いていない帰り道。辛かった。

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女の子として生きる、それはやはり怖いものと戦わないといけないのか。

だとしたら、なんて苦しいんだ。


普段ポジティブだね、明るいね、しっかりしてるね、と言われることが多いキャラの私には、誰に相談すれば良いのかわからなかった。




「助けて」と叫びたかった。



女の子、で生まれてきたことを悲しくなった。






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