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マネジメントの初めの一歩は聴くこと/マネアカ⑲

コミュニケーションの基本となる傾聴力。これからの組織のリーダーには、非常に重要なスキルだと思います。もちろん、管理職や組織のリーダーだけではなく、全てのビジネスパーソンに必須なスキルとも言えます。

それくらい大事なスキルですが、意外と管理職になると、メンバーの声を聴いていない状態に陥ってしまう人を多く見ます。

今日は傾聴とは何か。どのようにすると良いのか、そのノウハウをお伝えしたいと思います。

よくある勘違い

メンバーとの1on1をしている方も多いと思いますが、仕事の進捗確認ばかりに偏ってはいませんでしょうか。

もちろん、仕事の報告を受けること。進捗を確認することは重要です。メンバーがまだ若手であれば、進め方の相談を受けることも多いと思います。

ですが、それは「傾聴」とはちょっと違います。

傾聴とは、「相手のホンネを聴くこと」だと僕は定義しています。

仕事の進捗や状況を聴くことはホンネを聴くことではありません。

例えば、体調を心配して、医者に行ったことを想像してみてください。自分の状況(症状)を伝えたところ、医者から「この薬を飲むといいですよ」と言われたら、どうでしょうか。
もう少し、話を聞いてもらいたい。と思うのではないでしょうか。

これと同じで、例えば営業であれば、●●社への企画ですが、・・・な状況です。と報告した返事が、「分かった、共有ありがとう」だけで終わってしまったり。
もしくは、この後の進め方ですが、AもしくはBという方法があると思いますが、どうでしょうか?と相談した返事が「Aで進めてくれ」とだけ、方針を伝えられたり。

メンバーと信頼関係を構築するためには、相手のホンネを知る必要があるし、ホンネを知るためには、相手の話をしっかりと聴くことが大事なのです。

自分は報告や相談をちゃんと聞くということではなく、ホンネを聴くことができているか、考えてみてはいかがでしょうか。

聴くのは怖いこと?

一方で、メンバーのホンネを聴くのは怖い。という声を聞くこともあります。確かに急に「実は転職を考えているのです」とか、「仕事が辛くて辞めたいです」なんて、ホンネが出てくると、困っちゃいます。

僕も「まじか・・・」とか、正直「今言わないでよ・・・。」と心の中で呟いたことは何度もあります。
メンバーにとっては、こちらの状況は関係ない話ですからね。こちらが準備万端。心も平穏で何でもOK。という状況の時に話してくれることはありません。

でも、じゃあ聴かない方が良いかというと、そんなことはありません。結局、聴かないことは後回しにしているだけです。
それに後回しにすればするほど、不満があった場合に積もっていくだけです。

病気と同じですね。
早めに気づき、早めに処置すれば、治りやすいものも、放置すれば悪化するだけで自然治癒することはあまりありません。

そんなラッキーに期待するより、確実に治せる方法を選んだ方が得策だと思います。

宣言する

でも、「じゃあ、どうやって聴けばよいか分からない」という声も聞きます。
そんな方には宣言することをお勧めします。

宣言とは「より働きやすい職場・組織にしていきたいので、今日は、●●さんが仕事に対して、感じている満足感や不満について、教えてもらえないかな」とか、「次回の1on1では、●●さんが今後どのようなキャリアを望んでいるのか、話を聞かせてもらえないかな。等と、冒頭に伝えるのです。

改まって言うのは、恥ずかしいと思うかもしれませんが、そこは頑張って乗り越えましょう。

でも、「メンバーも話したくないんじゃないかな」という、そんな声もよく聞きます。

確かにこれまでの信頼関係によっては、メンバーからすると言いたくないことだったり、言いにくいことだったりすると思います。
ですが、多くのメンバーは心のどこかでは聴いて欲しいと思っているはずです。

メンバーが言いたくない、言いにくいと思うのは、
・どうせ聴いてもらえないのではないか
・言ったって、分かってもらえない
・否定されるのではないか
そんな風に感じるためです。

言っても大丈夫。聴いてもらえる。
そんな心理的な安全性・安心感を与えることができれば、きっと話してもらえます。

10001回目は何か変わるかもしれない

一方で「あのメンバーのことはよく分かっている」ということもあると思います。長年、一緒に仕事をしていれば、仕事に対するスタンスや考えていることなど、多くのことを理解していることも多いでしょう。

「飲みに行ったときに、よく話しているし」
そんなこともあると思います。

ですが、昨日のメンバーと今日のメンバーは変わっているかもしれません。10回聞いて、10回同じ応えがあったとしても、次は応えが変わっているかもしれないのです。人は変化しますからね。あなたの知っているメンバーではないかもしれないのです。

よく分かっていると自負できるメンバーならば、なおさらちょっとした変化にも気づきやすいと思います。
「前に言っていたことと、少し変わっているような気がするんだけど、何か心境の変化とかあったの?」
そんな声をかけてみると、実は聴いたことがないホンネが出てくるかもしれませんよ。

終わりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
引き続き、よろしくお願いします。

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