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批評ばかりのチームになってしまった理由/しくじりマネジメント

この記事は新たなプロジェクトが組成された時や何かチームで新しいことを始めることになった時の参考にしていただけると嬉しいです。

商品開発、サービス開発、新規事業開発、新サービス推進企画・・・
何か新しいことを始める時には、関連する組織や人から、不安・不満・批判・批評が当たり前のように多く出てきます。

なかなかに風当たりがきついことも多くあるため、チームのリーダーにかかる負担や不安は非常に大きいと思います。

新しいことを始めた時というのは、これをやるのが本当に良いのかどうか。自分たちが今やっていることはちゃんと前に進んでいるかどうか。そんなことも分からない中でも、手探りで進むしかない場面が多くあります。

だからこそ、リーダーの方からすると、同じチームのメンバーには一蓮托生で同じ気持ちでいてもらいたい。一丸となって頑張りたい。そんな風に思うと思います。

なのに!

・早く企画をまとめないといけないのに、なかなか進まない
・MTGはたくさんしているのに何も決まらない
そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

しかも!

チームメンバーからも批判・批評がたくさん出てくる。。。

もちろん、批判があることが一概に悪いというわけではありません。それだけ、改善できる余地があることだし、それが言えるチームというのはオープンで風通しが良いとも捉えられます。

ただ、それで話がいろいろ決まって進んでいるなら良いですが、全然話が進まない状況だとしたら、問題ですよね。

今日は僕が経験したチーム作りでまさにこの状況になってしまった失敗談を共有したいと思います。ぜひ、反面教師にしていただき、皆さんのチーム作りの参考になれば幸いです。

質疑応答形式の会議になったことはありませんか?

当時、新たなサービスを開発をしようという話があり、チームが組成されて、僕がそのチームのリーダーとして、アサインされました。急に湧いて出た話というより、元々こういうサービスを作りたい。という話はしていたため、アサインされたという経緯です。

そして、プロジェクトのスタートとなるキックオフ会議に向けて、次のような観点について、自分の考えをまとめて、チームに共有しました。
・どんなサービスを創りたいのか
・なぜ、そのサービスを創りたいのか
・なぜ、そのサービスが必要だと思うのか・・・等

そして、その場は簡単に今後の進め方を確認して、終了しました。

その後は定例会議を設定し、ペルソナについて議論をしたり、カスタマージャーニーを考えたり、プロダクトの具体的なコンテンツを詰めたり・・・。
よくある事業開発やサービス開発の進め方について、ビジネス本から情報を得たり経験者に話を聞いたりしながら、プロセスを設計して、会議を開きながら進めていく予定でした。

毎週、僕が考えを持ち込んで、議論をしながら、内容を決めていく・・・。そのはずだったのですが・・・。


全然、何も決まっていかない


しかもその場で出てくる発言は、
・これって昔も取り組んで、うまくいかなかったことがあるんですよね
・これだとうまくいかないように私は思います
・本当に提供するものが「価値」になるか分からくないですか?
・どっちでも私はいいのですが、何でそう考えたんですか?こういう可能性もありませんか?

そんな質問や投げかけです。

そんな質問に対して、僕も持ち込んでいる以上は考えていることがあるので、1つ1つ説明をしていきます。そうしていると、追加の質問があり、時間がどんどんなくなっていく・・・。結局、質問・疑問に対して、僕が考えていることを回答するだけで、手応え感はなく何も決まらない。全く議論が前に進んでいる感じや深まっている感じがしない会議になっていました。

参加者に悪意や他意がないのは分かります。

でも、どうすれば良かったのでしょうか。
振り返ってみると、大きく3つのしくじりのポイントがあったのではないかと思います。

1.前提をすり合わせる

そもそも、「企画」とは何でしょうか。それは「問題を解決すること」だと思います。
つまり、企画会議を行うのは問題を解決するための会議と言えるわけです。

問題解決とは・・・という話をここでする必要はないと思いますが、ゴールと現状のギャップを埋めることですね。

つまり、ゴールを共有したり、現状をすり合わせないままにギャップを考えようとすると、必ず思考や発言がずれていってしまうのです。

ご存じの通り、問題解決のポイントは、
・ゴールを具体的にすること
・現状を網羅的にすり合わせること
にあります。

今回のような「企画」の場合、ゴールをすり合わせることは比較的易いと思います。流動的だったりするので、そういう意味での難しさはありますが、具体的にしたものをすり合わせることは比較的しやすいです。

ですが、現状を網羅的にすり合わせるのは難しい。というか、完全にすりあわせることは不可能ですよね。育った環境も違えば、経験してきていることも異なります。

まして、今回の僕に起きたケースで言うと、僕はアサインされる前から考えてきたテーマです。でも、アサインされたメンバーはキックオフで初めて概要を知り、そこから考え始めたメンバーです。

まずは現状をもっと丁寧にすり合わせる必要がありました。
これまでの経緯や今回のプロジェクト発足の背景を簡単に伝えるだけではなく、それだけでアジェンダをおいて、意見交換するくらいの時間が必要だったのだと今は思います。

2.何を守りたいのかを確認する

1つめで現状のすりあわせが大事とお伝えしましたが、当然ながら、現状をすり合わせられたとしても、それでうまくいくわけではありません。人や組織というものは、なかなかそんなに簡単に変わることはできません。


では、なぜ変わらないのか


それは「守りたいものがあるから」です。
これを理解し、適切にマネジメントできなければ、うまくチームを成長させながら、運営していくことはできません。

発言しないメンバー、仕事を増やされることを嫌うメンバー、周囲のメンバーとの協働を避けるメンバー。いろんなメンバーがいますが、そんなメンバー達も「やる気がない」わけではないのです。

どういうことかと言うと、研究者からすると思い付きで話すことは自分のやっていることを否定することにもなりかねない。残業になってしまうと家族との時間が減ってしまいかねない。協働することであいつはダメだと思われかねない。
つまり、そうなってしまうことを避けたいのです。
そうなってしまうことから、自分を守りたいということなのです。

・研究者として認められたい
・生産性高く働きたい
・周りからすごいと思われたい

1人1人、1つ1つの動機に良し悪しはありません。個人的には、頑張ってくれるなら、動機なんて何でも良いと思います。「もっと仕事ができるようになってモテたいから」でも良いのです。

守りたいものを守るための仕事になれば、もっと動けるようになるかもしれませんね。

3.自分のやりたいことを何度も「ストレート」に伝える

3つめは、自分のやりたいことを伝えることです。

僕は様々なチームやプロジェクトのリーダーをそれなりに任せてもらって取り組んできました。その中で1つ学んだことがあります。多くのリーダー経験が浅い皆さんにはぜひお伝えしたいことです。

それは、

「人は人の話を聴いていない」ということです。

いや、議事録を残せば・・・という話ではありません。

メンバーの日常に直接的に影響するようなルールや内容であれば、すぐに覚えるでしょうが、プロジェクトの目的・会社的な位置づけ・全社的な方針・・・等のような直接的に日々の仕事には影響しない内容であれば、メンバーにとっては明日には忘れてしまうようなものなのです。

背景や思いを含めて、「文脈」として伝える努力は必要ですが、自分が話したことをメンバーがちゃんと覚えてくれているという幻想はあまり抱かない方が良いです。

きっとそのメンバーには、他にもやらないといけない仕事や覚えないといけないことがたくさんありますからね。

奥さんや旦那さんの話を聴いているようで聴いていないのと同じです。

「大事なことだから1回しか言わないね」ってフレーズを昔に何度も聞いた記憶があるのですが、逆です。大事なことは何度も言うのです。回りくどくするとメンバーは理解してくれません。ストレートに伝えるのです。分かってくれていると勝手な期待をせず、何度もストレートに文脈で語り続けるのです。

そうすることで、ようやく伝えたいことが相手に伝わる。
本当に伝えたいことを伝えるためには発信側は努力しないといけないものなんだと今なら思います。

終わりに

いかがでしたでしょうか。
僕の仕事の失敗が皆さんの仕事の糧になれば、これ以上嬉しいことはありません。

新たなプロジェクトチームの発足時などに参考にしてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

応援いただけると、非常に嬉しいです。 全力でいい記事を書きたいと思います。 よろしくお願いします。