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CD、その深き沼

 カセットテープを見たことがありますか。MDはどうですか。たぶんそのあたり、ある程度昔に生まれていなければ知らんでしょう。MP3プレーヤーが出てから廃れていったんだけど、たぶん平成半ばくらいまではわりと使われてたと思われる、そのへんの時代の記録メディアです。カセットテープの巻き戻しとか懐かしいね。MDはコンポから曲名入れられたのよね。あとあの細長いシール、小さい字でアーティスト名を書き込んだものです。貼りつけは慎重に。

 昔話はそのへんにしておいて本題。ディスク、というかコンパクトディスク、CDですね、これはまだ現役で売られているということで息が長い。CCCD(コピーコントロールCD)という黒歴史も乗り越えつつ、いまはSACD(スーパーオーディオCD)なるものも普及しておる。CDすげー。みんな音楽が好きなのかな。各種配信サービスも便利便利万歳人間、サブスクならあたくしも少々たしなむし、音楽の姿はデータのみを受けとる形へシフトしていってるが、音楽そのものはメディアを問わず聴かれてるのでしょう。YouTubeを見たら人気アーティストの再生数ヤベェでしょ。億ってなんだよ。なにやってんだよ。ともあれそういう聴かれかたもあるわけだ。

 さてそのような世にあってあたくしはCDを買う。サブスク片手にCD派である。オンガク原理主義シーディー派、なんのCDを買ってるかって、それがクラシック音楽ばっかりになってしまって久しいもの。今日も買いましたよ。中古ショップで五嶋みどりのモーツァルトの協奏曲を、帰宅してからはネットでジュリアス・カッチェンのボックスを発見してビックリしてポチった。まったく音楽を聴くことは俺の日常と生活なのだが、CDを買うということも同じくらい自然なことなのだった。俺を殺すのは簡単で、ただ音楽を聴かせなければよい。衰弱して野良犬のようにくたばることでしょう。

 でも見境ないような形で買い漁っていて、基本的にはこれ以上のCDの置き場ってないんですよね、この部屋。いま何百枚かあって。家具を捨ててそこに積むとか、それしかない。または本棚に入れてしまう。CDラックを買い足しする手だってある。だが待ってほしい。パンがなければお菓子を食べればいいじゃない、置き場がないなら買わなければいいじゃない、といわれるように、買わなければ別にこのままでもどうにか暮らせるのだった。住宅事情はままならぬ。ここはひとつ我慢をするのがいいんではないか。

 いや、買うけど。

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