中村 幸嗣

中村 幸嗣

最近の記事

亡くなった直接の原因はミスした研修医たちのせいではない メディアの報道、取材力、(意図的?)表現力不足について15年変わっていない

私にとって2つの意味でとても残念なことがありました。 昨年名古屋日赤で医療過誤事案があったそうです。16歳の腹痛患者の救急での診断(SMA 症候群の疑い)が遅れ、入院後その患者さんが鎮静剤の過剰投与後急変してお亡くなりになったというものです。 その際の医療過誤について下記のように病院が報告しています。 >3.事案の検証結果 (1)CT 画像の評価が不十分で、急性胃拡張に対する減圧治療ができていなかった。 (2)脱水症の評価が不十分で、治療の開始に遅れが生じていた。 (

    • コロナはやっぱりかからないほうがいい かかったらあまり出歩かずどうしてもの時はマスクを

      お久しぶりです。最近筆がすすまなくて今月初です。 今更ですが、コロナ流行しています。入院する患者はそこまでいませんが、周りではなかなか治らない風邪の報告が増えています。 コロナはよほどリスクが高い人でなければ「めんどくさい」それでも「ほぼ風邪」になりました。でも人が移動すると感染者が増えるため今後も流行を繰り返すでしょう。 私の身内がついこの間はじめてコロナに感染しました。様々な風邪の症状(頭痛、咽頭痛、鼻弊等)から、嗅覚・味覚異常、全身倦怠感などの後遺症?が3週間以上

      • 病院、医師はある意味ガチャ 運が悪ければ患者、家族はトラウマ

        少し個人情報を脚色をしてこのようなツイートをしました。 まあまあ普通に喋れて前日まで食べれていた高齢者の方の血圧が急に低下し、施設で普通の点滴をしても尿量、血圧含めたショックが改善しないという医学的にはよくある状況。 おそらく敗血症性ショックの状態と考え高次病院への搬送を依頼するも、施設からの直接搬送、超高齢者ということで目指す病院へは搬送されず、「救急患者で手術が必要でもできない病院!」へ患者は搬送されることに。 年齢からくる羸痩は著明。ただショック状態でもしっかり喋

        • 名誉毀損裁判 法的と医療的言葉の解釈

          私も時々議論する弁護士で元参議院議員だった青山さん関連の一審の裁判の結果がニュースとなりました。 >青山氏は2021年6月、ワクチン接種と不妊との関連性を否定するような政府の見解に対し、「『中長期的リスクは全く不明』が正しい」などとツイッターに書き込んだ。これに対し、知念氏は「デマだ」と投稿した。 私もよくデマと言う言葉を使ってしまうのですがw。 可能性は否定できないという言葉に単純にデマと言っては名誉毀損に法的になる可能性があるということが示された判決です。もち

        亡くなった直接の原因はミスした研修医たちのせいではない メディアの報道、取材力、(意図的?)表現力不足について15年変わっていない

          新型コロナ施設内感染 ワクチンで重症化は抑制 だから亡くならないけど感染拡大は止まらない

          5類になって特に大きな制限はしていないのにコロナの定点での届出感染者数は明らかに減ってきてます。そう大きな流行は終わっていってます。(山火事理論) ただ定点以外の施設での発症は届けられていないだけの可能性もあるでしょう。 そして最近当院関連施設で感染爆発が起きてしまいました。(一部脚色あります) 数十人規模で96%の施設居住者の感染!そのうち1名が高次医療機関に送られましたが、それ以外の感染者は数日の発熱(解熱剤使用)で回復しています。(初回感染で2日。以前は5日だった

          新型コロナ施設内感染 ワクチンで重症化は抑制 だから亡くならないけど感染拡大は止まらない

          新年度 コロナも紅麹もしっかり情報整理を

          いよいよ4月1日からワクチン含めてコロナ診療に対する補助が無くなります。どうか皆さん無理な無双はなさらないように。コロナ含めて感染症での入院費、治療費結構かかりますからね。 今流行りの紅麹問題。いわゆる毒物一部混入問題にすぎません。そう健康被害が出たロットだけの問題で、食品における「紅麹」はそれほど気にする必要はないと思っています。 薬物、健康食品関連の腎障害なんて実臨床ではよくある話でそれほど珍しくはありません。まあ食中毒みたいなものです。 もちろん細かい点でいろいろ

          新年度 コロナも紅麹もしっかり情報整理を

          コロナ治療薬ラゲブリオ 今は飲んでも高いだけでそこまで効かない ワクチン含めてそうやって変化する

          市川さんの記事。Yahooでバズったようです。 >要はこの薬を使っても、「新型コロナによる入院や死亡のリスクは一般的な治療と変わらず、余分なお金だけがかかる」ということ デルタまではしっかり重症化予防効果が証明されていた薬です。ただ正直今は出すだけお金をドブに捨てるだけの薬と評価されたことになります。 >1回の治療の薬価(薬の値段)が合計でおよそ9万4千円という高価な薬剤ですが、新型コロナが5類に移行するまでは自己負担ゼロ、5類に移行した現在でもおよそ1割(9000円)

          コロナ治療薬ラゲブリオ 今は飲んでも高いだけでそこまで効かない ワクチン含めてそうやって変化する

          コロナ支援終了 お金がかなりかかります Precautionとしての感染対策を

          コロナの公費支援が3月いっぱいで終了します。 ワクチン、外来、薬、入院など全て1−3割の自己負担がかかり、薬なんてそれこそ外来かかりゾコーバ等出されると、住民税課税所得額(各種控除後)が145万円以上ある人やその被保険者と同じ世帯にいる被保険者は3万近く薬代がかかるようになります。それこそ医師から何も説明聞かされずにコロナだからと抗ウイルス薬出されてしまうと薬局でびっくりすることになるでしょう。(まあそれでも医療費の上限度額はありますけどね) >医療提供体制は「平時」に移

          コロナ支援終了 お金がかなりかかります Precautionとしての感染対策を

          コロナ10波はほぼ落ち着きましたね。昨年の死亡数もなんとか

          うるう年2月、コロナ感染は期待通りの動きになりました。 ただまだ油断してはいけません。後遺症含めて感染しない方がいいのですから。 そして昨年の死亡数も報告されました。 >一方、死亡数は3年連続で増加して159万503人となり、過去最多でした。 2019年の死亡数は 138万1098 人。その時と比べて高齢化の日本を考えると昨年比8470人増ですからなんとかでしょうか(昨年の超過死亡考えるとそれでも少し多いですけどね) 都会が落ち着いてきたという話が聞こえてきたのに、

          コロナ10波はほぼ落ち着きましたね。昨年の死亡数もなんとか

          『奔流 コロナ専門家はなぜ消されたのか』を読んでわかる「専門家の意見」をうまく使えない日本の政治家と自分でリスク管理ができない日本国民

          久々の更新です。コロナ感染者は低下してきています。少なくとも自分の周りの病院はなんとか医療崩壊しないで済んだようで、前回のブログのようになってきています。(もちろん後遺症など問題はしっかりありますけど) 『奔流 コロナ専門家はなぜ消されたのか』をやっと全部読み終えました。コロナ対策の時間軸が整理できたとともに、当時の政治家の行動のいい加減さがとてもよくわかりました。 尾身先生の国民への「変わりばえのしない感染対策提言」に対して、当時感じた少しの違和感の原因がわかりとてもス

          『奔流 コロナ専門家はなぜ消されたのか』を読んでわかる「専門家の意見」をうまく使えない日本の政治家と自分でリスク管理ができない日本国民

          コロナ10波 でも2月に医療逼迫が起きてなければコロナの特別視は終了で

          まあ聞きたくないでしょうけどコロナ感染者増えてます。 もちろんまだインフルエンザ等も流行しています。ただまだ地域差はありますが発熱外来でのコロナ陽性者率は増えているようです。もちろん下水のウイルス数も。 感染者増加の意味での10波のピークはおそらく2月でしょうか。ただオミクロンになってワクチン接種者は感染しても重症者の割合が臨床感覚的に少なくなっています。(重症になる人がみんな亡くなってしまったのかもしれませんが?) それゆえリスクの高い人、また後遺症までとはいえないけ

          コロナ10波 でも2月に医療逼迫が起きてなければコロナの特別視は終了で

          災害関連死 5歳児は助けられなかった? 発熱は感染症だけではない!

          今年は本当いろいろな事がありすぎて大変です。 ただ200人以上の死亡者を出していますが、正月の石川県の地震もなんとか落ち着いてきています。なんの役にも立たないパフォーマンスの政治家などもいましたが、自衛隊はじめさまざまな災害対処をしていただいた方々ありがとうございました。 急性期の死亡が減少した今、災害関連死という言葉がメディアから流れてきています。あくまでもコロナ関連死と同じように悪化した避難所の状況から感染症の悪化、血栓症、持病の悪化含めて体調を崩すことで起きる死亡で

          災害関連死 5歳児は助けられなかった? 発熱は感染症だけではない!

          危機管理は普段の訓練が重要 ネットリテラシーが低いと弱者は置いてかれる

          みなさんあけましておめでとうございます。 年始から地震、飛行機事故、火事などとんでもない事が続いています。正月から様々な対応されている自衛官、DMAT、消防・警察はじめ様々な方々に感謝します。 JALの避難事例は世界からは奇跡と呼ばれています。 それもCA含めた乗務員の冷静な行動のおかげです。そしてそれは日頃の専門家としての訓練から生まれています。エンジン切る前にすぐに扉を開けたりしてはいけないとか、炎の近くの扉を開けてはいけないとか。 早く出して、開けてくださいとい

          危機管理は普段の訓練が重要 ネットリテラシーが低いと弱者は置いてかれる

          年末です 今更ですがコロナの話 批判だけではなく議論を

          年末です。みなさん忘年会やりました?やっぱリアルに人と会うのは最高です。 そんな中今更ですがコロナの話をします。 家田さんが主催しているThink Vaccineの会に飛び入りで拝聴させていただきました。永江さんがその経緯をまとめてブログ記事にされています。 もちろん永江さんの意見に全面的に賛成ではありませんがこういう考え方はあります。 そしてmRNAワクチンは被害を抑えてないのでからワクチンではないという新田さんの発言含めて最後どうしても我慢できず発言してしまいまし

          年末です 今更ですがコロナの話 批判だけではなく議論を

          歩く肺炎増加 コロナmRNAワクチン関係ないよ マスク含めた感染対策を

          中国、韓国で流行っている歩く肺炎ことマイコプラズマ肺炎。少し話題です。 >韓国では入院患者が1か月で2倍に増え、その約8割が12歳以下の子どもだということです。中国ではマイコプラズマ肺炎などの複数の呼吸器疾患が増えています。他にも、アメリカやデンマークなどで感染者が増えているということです。 大切なことなのでしっかり言っておきますが、コロナmRNAワクチンは関係ありません。中国はコロナmRNAワクチン接種ししていませんので。 この感染拡大、今二つの可能性が指摘されていま

          歩く肺炎増加 コロナmRNAワクチン関係ないよ マスク含めた感染対策を

          国民皆保険はもういらない? 病気になってみないとわからないのはコロナと同じ

          Abemaに市川さんが出演して、はてなブログからの話題の公的医療保険についての問題を議論されていました。 まあはっきりわかったことは、10年か20年病院にかかったことのない茂木さんや、日本に住んでいないひろゆきさんは国民皆保険はもういらないと考えているようですし、そして医療者(特に開業医)が嫌い、そして延命治療を行なっている日本の医療は無駄遣いと思い込んでいるということでした。 市川さんは一生懸命、「日本の医療費は世界と比べて高くない」、「病床は多いけど医療人の働き方(無

          国民皆保険はもういらない? 病気になってみないとわからないのはコロナと同じ