知らない

ブランディング講座1 なんでうちの会社のこと誰も知らないの

「知る人ぞ知る」誰も知らない会社

”うちの技術力はどこよりも高く、他に持って行っても誰もつくることができない”と自慢している会社っていっぱいあります。特に、BtoB型の製造業あたりに多く、お客さんは一部の業界だけなのでPRなんかしませんから、自ずと「知る人ぞ知る」会社になっていきます。

確かに、何時間かインタビューし、工場を見学し、使っているお客さんの声を聴くと、ひとつひとつの技術は非常に高く、優秀な会社であることは、徐々に理解できるようになります。

なのに、その業界を一歩離れると誰も知りません。

従業員が10数名の会社なら、そのままでもいいでしょう。

ただし、それが従業員100名超、売上高が100億円を超えるような上場企業である場合、それでは問題が起きます。

「知らない会社の株は買わない」

一つは、株価の問題。誰も知りませんから、誰も買いません。出来高も増えず、値のつかない日が続いたりもします。株式市場の評価は低いまま放置されますが、上場企業としての義務は果たさなければならないので、監査費用や上場費用は毎年結構な額を払うことになります。

なんのために上場しているのかわからなくなっている会社はいっぱいあります。

この会社が本当に良い会社なら、絶好のM&A対象になります。良い会社が安く買えるなら買う側にしてみればラッキーです。中国あたりの企業が日本の技術型優良企業を買い漁るなんて言うことが起こりえるのです。

「知らない会社で働きたくない」

もう一つは、知られていない会社で働くのってどうですか?「お父さんは〇〇で働いています」って社員さんのお子さんが説明できますか?お勤めになっている会社が何の会社で、何をつくっていて、社会的な評価がどうなのかっていうことが全く知られていないと、その説明すらできません。自然と、お父さんの仕事に興味もなくなりますし、もちろんお父さんの勤める会社に誇りを持てません。

就活生だってそうです。自分ではよい会社だと思って入社試験を受け入社したのに、お父さんやお母さんは、その会社を知らないがために、もっと大手の企業を目指しなさい、公務員になりなさいなんてことを言われている人はたくさんいます。

「知られていないこと」が経営リスクに

つまり、知られていないということは、会社経営にとって、かなりデメリットをもたらすことなのです。

私は、IRなんぞを生業にしていた時期がありました。

決算短信をつくり、アナリストなんかほとんど来ないのに決算説明会を半期に一度行い、またガバナンスはどうした、環境対応はどうした、配当が少ないと言われればいちいち対応していました。

で、結果はどうかというと、いわゆる、こういう制度IR(金商法や取引所規則に沿ったIR活動)の延長線上のやり方ではほとんど何の効果も生みませんでした。

なぜか、話は元に戻りますが、知られていないからです。

知らない会社のIR活動になんて誰も興味がありません。知らないのですから注目のしようがないのです。注目されるのは、よほどの好決算か最悪の決算の時だけです。

「知ってもらうこと」に力を注ぐ

つまり、こういう会社に必要なのは「知ってもらうこと」

知ってもらうことに注力したほうが、思いのほか大きな効果があるのです。

「知る人ぞ知る会社」を続けていると、知ってもらうことに時間やお金を割くことが無駄な気になりますが、それをやるとやらないでは、株価が変わります。採用活動が変わります。社員やそのご家族の会社への誇りが変わります。それは、かけた費用に十分に見合う投資効果をもたらします。

つまり、中小型の上場企業の場合、企業ブランディングがIR活動の前に重要になるのです。

ブランディングというと、BtoC企業のモノだとか、クリエイターなどというBtoB企業の人とはおよそ接点のない、なにかしら胡散臭い人種にぼったくられそうな感じしかしない人も多いと思いますが、今後何回かに分けて、私が実際に関わったブランディングプロジェクトを通じて、その成果報告のような形で説明させていただきます。

是非、お付き合いください。

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アルファ・ファンクションの栗本です。ブランディングとIRを組み合わせた企業価値創造メソッドを提唱しています 知る人ぞ知る優良な会社の”意思”を多くの人に知ってもらうことで、企業価値は大きく変わります。 kurimoto@alpha-function.jp

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