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勉強の仕方を勉強する方法はどこに落ちているのか【小・中学生編】

コロナ禍で自宅学習期間が続き、在宅でお仕事をされている方にとっては家事をしながら仕事もするという非常にストレスの多い状況が発生したという話を耳にした。

家にいる時間が増えた期間、多くのお母さんの不安にさせた一つの問題は「子供が家で勉強しない」という相談だった。


しかし、よく考えてみれば極めて自然な現象で、日頃決められた時間割の通りに決められた科目を先生の言う通りに学習していた子供達が、いきなり自由な時間をぽんと与えられて「よし!勉強しよう」と思い立つことはまずない。かといって、ぎちぎちに親や塾がスケジュールを組んで、「この通りに勉強しなさい」と言うのも子供が考えるタイミングを奪い成長の機会を損失させることになってしまう。そもそもそんな中でなぜ勉強しなければならないのか、と言う永遠の疑問に、まともに回答できる大人の方が少なかったりするのである。目的のわからないものに向かってひたすら机に向かうと言う不毛さは、10代20代でも十分に理解しているものである。

今回の件で浮き彫りになったことは、「自分で考えて組み立てをする」「自分がどうなりたいのかを見据えて望んで学習に向かう」と言うことがあまりにも弱いまま、普段なんとなく学校に通い受動的に生活してきたと言うことだ。誰もが学生時代に一度は感じた「この勉強は将来役に立つのか」と言う疑問に、目を背けて子供の質問にも答えられないまま不条理に「勉強しなさい」と言う押し付けを続けてきた。

日常に生まれたゆるやかな時間と隔離された空間は、私たちにもう一度自分と向き合う時間を授けてくれた。「自分の内なる欲求や好奇心に耳を傾けて心の底から学びを深める」と言う本来の人間の姿に気が付き、原点回帰するよい機会にもなったように感じている。

今後も発生する可能性のある自宅学習。その際、家で子供たちと一緒に準備していくことは以下の通りである。

1スマホを持たせる

①「わからない」といったら「ググりなさい」と答える。②わかったことは「お母さんに教えて」と声をかけて説明してもらう。スマホを持たせると遊んでしまって勉強に身が入らない、と言う理由でなかなか購入に踏み切れないと言うかたも多い。しかし、大人になっても誘惑はつきもので、どの世代においても成功するのはそうした誘惑を立って自分のやりたいことにのめり込める熱量を持っているかにかかっている。そして何より、これほどまでにどんな質問に対しても答えてくれて費用のかからない先生はいない。

2何がどこに載っているか 何をどう使ったら効率的かだけはある程度教えてあげる

①わからない社会の単語は教科書の裏の索引から逆引きする、など手持ちの教材を100%効果的に使い倒す方法については多少知っている範囲内で助け舟を出してあげることもできる。そしてこの方法は、普段から大人自身が学習習慣を実験・研究していないと子供に話してあげることができない。よって、結果的に自分の方が先に子供よりも伸びてしまう。すると、自然に子供は伸びているお父さんやお母さんを見て自分も勉強しようと密かに思う。

3「どうして今勉強したいのか」を常に投げかける

①「自分は勉強したくないけれど仕方ないから勉強しているんだ」と言う姿勢が見えたら、思い切って「じゃあつまらないものはやめよう」と言う提案をしてみる。ほとんどの場合、このような逆提案をすると「でも勉強しないのはまずいですよね」「だけど大学は行きたいんです」と言いながら、先ほどまでの弱気を引っ込めて渋々勉強し始める。つまり、そこまで「普通」と言う道を外れて勝負しようと言う勇気には至らないことがほとんどなのである。実際に勉強をやめてしまっても、必要なら本人が勉強することを選択し直す。本当に勉強しないと決めるなら、ほかのことで結果が出るまで突き抜ける覚悟を持って努力する。大人はその具体的な例をできるだけ示せるように日々情報収集だけしておく。その際には、できるだけ子供が憧れる大人の、具体的な数字や時間、芽が出るまでの期間などを詳細に話せるようにしておく。

4お金の勉強に触れさせる

例えば、自分の望む進路を歩むためには総額でいくらくらいお金がかかるのか。例えば、国や地方自治体、学校の制度の中で正しい申請方法や自分の努力によって得られる資金にはどんなものがあるのか。例えば、援助なしでその金額を自分が稼ぎ出すとするならばどんな方法が考えられるのか。お金の情報に触れさせることで子供は勝手に勉強した方が将来自分にとって得策だと気がつく。その「勉強」が国数英などを頑張って上にいくことをさすのか、稼ぎ方の勉強を学ぶことをさすのかは、個々人の捉え方によって変わってくるのである。どちらを先に勉強するのか、あるいはどちらかだけを勉強するのかは本人に任せていく。


これから先がどうなるのかという問いに明確な回答を持っている人間は誰もいない。しかし、どんな状況下でも普遍的に価値を持っているのが0から1を開拓する力であることは揺るがない事実だ。カリキュラムがどうなるかわからない、入試が変わったらどう対処するべきかわからない、そんな状況下でも変わらず飄々と自分軸のもとに来たるべき時に備えて積み上げていく。そこに無理を感じず楽しみを見出せる人が、これからの時代には結果を出しやすいのかもしれない。



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