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多種多様な世界観に思わず圧倒された【2023年度デジタルハリウッド大学卒業制作展参加レポート】

はじめに

今回私は、2024年2月9日から11日に開催されたデジタルハリウッド大学の卒業制作展に足を運んだ。

卒業制作展というものに行ったのは初めてで、どの作品もすごく新鮮ですごく楽しい時間を過ごすことができた。

今年の卒業生は2020年度入学のコロナに影響を受けた学年である。コロナに影響を受けたと聞くと一見、大変な世代のように思える。しかし、本イベントのホームページには

「この苦境を乗り越えるぞって、一緒にできることを精一杯やってきた。お互いに影響しあって、手を取り合って、ここまでやってきた。
なんかそれって、YEAHKYO!って感じしない?ポジティブな影響を与え合ってるみたいな。
次は私たちが影響を与える番。いろいろあったけど、うちらは「コロナで可哀想な世代」じゃないよ。」

と記載されていた。私はデジタルハリウッド大学のこのような点がものすごく好きである。

「みんなを生きるな。自分を生きよう。」

というキャッチコピーも有名だと思うが、私はこの言葉にもすごく影響を受けた。デジタルハリウッド大学の言葉の力にはいつも脱帽する。


紹介する作品について

私が今回紹介するのは展示してあった作品のほんの一部である。数ある作品の中から、特に印象的だったもの、素敵だと思ったものをいくつかピックアップして紹介していこうと思う。

作品

砥部散歩


まずブースに入ると、壁一面が窓になっている、すごく開けた開放的な空間が広がった。清涼感満載なその空間にまず圧倒された。

この砥部散歩にはまず視覚的に青と白の清潔感ある見た目に引かれた。詳しく作品を見てみると地元である砥部町を好きになってもらうために、企画のみならずデザインの力で街の景観を良くするという内容であった。地元の活性化という点に重きを置くという発想力が素晴らしいと感じた。


One ware

次に、このone ware は食器をただのツールとして考えるのではなく、生活を潤すという点で考えたブランドである。手前に置かれた雑誌にはパッと見ただけで分かりやすい構図と説明があり、ブースとの統一感もありとてもよかった。


Space Flower Card Tour with Rabbit

この作品はまずコンセプトが素敵だなと感じた。冒険に出たうさぎが、策漠とした宇宙に花札の花を植えるという、斬新かつかわいらしいコンセプトにとても癒された。
さらに、花札一枚一枚が丁寧に作り込まれており、実際の花札と構図がかけ離れているわけでもなく、どこか懐かしさも感じさせるようなデザインがとても素敵だった。


いきづいて、いきづいた

この作品の空間に入ると、それまでとは違う空気が流れとても新鮮だった。作品の上を歩くことに初めは驚いたが、こういった形の作品もあるんだと学びにつながった。

この作品は作品の説明を読むことでさらに奥深くその意味を感じ取ることができた。特に、

「身体の一部と思えるほど大切だったあの場所は、いつの間にかはるか彼方に。
どんなに記録を積み重ねても、すごしてきた時間の全てが圧縮され少しずつ均一な断片になっていくのを私たちは止められない。」

この言葉に私はとても感じることが多かった。今、私たちが大切にしていて、実際に大切になっている場所や思い出、記憶さえも、生きていればそのうちその時間さえも圧縮され均一になっていく。その虚しさに作品として心打たれました。

Grandir

従来の感情日記アプリの問題点であった継続的利用に焦点をあてたアプリである。

実際にアプリはないようだが、実際にあれば使ってみたいと思うようなアプリだった。

生きていく上で自分と向き合うことは大事なことである。しかしそうは分かりつつも誰もが見て見ぬふりをするものである。そういった中で自分を見失い、いつの間にか余裕がなくなっていたり、人とのコミュニケーションや関係について悩むこともあるだろう。

しかしこのようなアプリを使うことで、自分の人生、または自分自身と真摯に向き合うことができると考えた。


3DCGムービーゼミ : Jaguar brothers, ORIGAMI

これらはまさに私が大学に入ってやりたいことであった。
私には実践的な技術はないため、フィーリングでしかないが、圧倒的な世界観とグラフィックの精密さ、美しさに衝撃を受けた。テーマをもとにそれを3DCGで表現し、伝える。映像には作者の思いや技術がぎっしり詰まっており、とても感動した。

私も大学に入ったらこのような作品が作れるようになりたいと、改めて強く思うきっかけとなった。


Inside

化粧はマナーである。これは日本では当たり前の考え方である。よく、高校生が学校で化粧禁止になっているのに対して、社会人になった途端化粧がマナーになることに疑問を抱く人が多い。それは確かにもっともな考え方だと私は思う。それは学生がメイク禁止なことに疑問があるのではなく、社会に出た途端急にマナーとして扱われることに対して疑問なのである。

この作品の作者の言うとおり、本当の美は外見ではなく内面であると思う。化粧を、やらなければいけないものとして扱うのではなく、心に余裕を持たせ生活をより豊かにするためのものとしての意識が社会でも浸透していけばいいなと思った。


さいごに

私は今回の卒業制作展を通して、改めてデジタルハリウッド大学の素晴らしさを感じることができた。技術力だけでなく、先輩方一人一人の作品に対する思いや熱量が伝わり、私も早くその一員になりたいという思いが高まった。

作品によって個性が異なり、自分にない世界観や表現の仕方など、学びも多くとても素晴らしい機会になった。

これらの作品は今後の私の創作活動においても刺激となってくれるだろう。

自分が卒業する際にもこのような素晴らしい作品が作れるよう、これから精一杯努力したいと思う。

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