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【官能小説】放課後は社会勉強44〜ゆずかを弄る常連客、社内報に写った私をよく見れば…

「どんなこと訊かれたの?」
「え?…書いてあるとおり…」
「えー?いろいろ訊かれたでしょ?『キャナルコーヒーに入社したきっかけは?明るく笑顔で楽しそうに仕事をするスタッフのヒトたちを見て…』だって」
「そうだから…」
「それだけじゃないでしょ?『カワイイユニフォーム着けた柚香を店内で晒したい』でしょ?」
「ィャァ…」
「『仕事中に心掛けていることは?笑顔で明るく元気よく…』って…ふつうじゃん?」
「本当だから…」
「これだって『ミニスカから生える太もも見てもらえるようにテーブル拭くときお客様におしり突き付けます』じゃん?」
「ぇえ?」
社内報の件を前もって話さなかったのが気に入らなかったのか?
それとも、社内報のページの貼り出しを見て何か琴線に触れたのか?
話す必要ないから…店長もお客さんが見えるところに貼らなくてもよかったのに…
他のお客様は「よかったね?」って喜んでくれたり「写真カワイく写ってるね?」とか褒めてくれたから、ゆずかも恥ずかしいけど素直にウレしかった。
でも、このお客さんに限ってはそうでなかった。
ゆずかを弄ってくる。
「…あの…もう…」
「まだ少し時間あるでしょ?この件、お互い納得する形で済ませたいよね?」
お互いが納得するとはどのようなことなのか?
よく分からないし…
訊かれている内容が攻撃的になっていってる。
「社内報…確認されたら返してくださいぃ…」
「『今、夢中になっていることは?同じ駅ビル内の飲食店巡り』じゃなくて『お客さんから教わったマスターベーション』でしょ?」
「イヤダァ…」
「さあ、改めて見てどうかな?社内報の自分の写真を…」
付き合いきれないって退室しようと立ち上がったとき男は問い掛けた。
「ぇ?」
「満面の笑みのアップ、店内でお客様に応対中の全身写真、そしてプライベートの麗青高校の制服姿の一枚…」
「どれもベストショットだ。キミのことをよく表している」
確かに…改めて見れば上手に撮影してもらっている。
恥ずかしさ半分でよく見ていなかったが、他のスタッフやお客様は「よく撮れてる」と言ってくれた。
撮影したヒトを褒めているのだろうけれど、ステキに撮ってもらってイヤなヒトは誰もいない。
自分ではこうは撮れないし…
レイセイの制服姿はその数日前、友達に教室で撮ってもらった。
ふだんの写真も欲しいから、だって。
友達にも感謝です。
「整った顔立ち、黒髪ロングはポニーテールにして…飾り気がなく、心の思うままなの無邪気な笑顔…」
子供っぽいってこと?…メイクも未熟な私は、ムリしても大人っぽく見えないし…
だからもう、ゆずかは失礼がない程度にファンデと乳液つけるくらい…
あとは色付きリップくらいで済ますんです。
若いからいいんです。
こういうときだけ子どもになったりして…


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