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「ぽさ」を探しに和歌をよもう

あなたが普段使う言葉の「ぽさ」をあなたは知っていますか?

頻出する言い回しとか。
気がついたら呟いていることとか。
「それ、ずっと言ってるよねー」と指摘されることとか。


ヒトはマジで十人十色。

SNSにこれでもかってくらいハッシュタグをつけて、自己の差別化に今日も汗を流すわたしたち(この記事にもこれでもかってくらいタグつけましたw)。

そんな変に流行にのらなくても、ピカんと光る個性はすでにあなたに備わっています。
そして、あなたの個性は日頃の言葉遣いに滲み出ます。「〇〇って、△△さんぽいよねー」ってやつ。

その「ぽさ」を探り当てるのに適したツールとはなにか。

ズバリ和歌!とご提案したい!

和歌は5、7、5、7、7と母音31音のしばりがあります。Twitterの先祖みたいなもんです。
31音で気持ちを表現しようと思うと、自ずとその人にとって心地よいワードがチョイスされます。でも、そのワード。本人にとっては当たり前すぎて「え、これ、わたしっぽい?」と首を傾げます。

断言します。それ、あなたっぽい。

「ぽさ」を和歌を通して探り当てるWAKA NOVAというコミュニティを立ち上げました。

メンバーの和歌から、ちょっと「ぽさ」を解説します。

まず、この和歌。

睡眠と 風呂とご飯と 瞑想と
オナラをしたら さてまた明日

ご飯、瞑想、オナラ。硬度がちがう言葉が並列されているところが味噌です。五句で転換の接続詞「さて」を使うことで、この歌の主題が「また明日(も会いましょう)」にセッティングされます。また明日も会いましょうという気持ちのピンに向かうように、初句から始まる最初の24文字がボーリングのように倒れていく構図です。

「オナラ」という言葉を差し込めるところが、この和歌の詠み手の素晴らしいところですね。「オナラ」の直前にある「瞑想」はどちらかというと真面目な雰囲気を纏ったワードですが、オナラが直後につづくことでどこかリラックスした雰囲気を醸します。これ、わたしは絶対に真似できない。

もうひとつ。

いくつもの 唯一無二が 空を飛ぶ
裸足でかけよ 蝶少年よ

「いくつもの」から始まるので群像描写かと思いきや、続く二句目で「唯一無二」とレンズが一つ一つの対象に絞られます。つまり詠み手は複数のものに解像度高く目配りしながら、流し見しているのではなく、一つ一つの存在にオンリーワンの命を感じているわけです。さらに「空を飛ぶ」と視線を上にあげたにもかかわらず、「裸足でかけよ」と問いかけることで、視野が一気に広がる。レンズが広角になって、天と地が開けるのです。

そして極め付けは五句目で蝶と少年を並列表記した点。もう唸るしかない。そうだったのか。蝶というワードが入ることで、世界線が二つできます。リアルの野原のようなイメージ、そして空想の世界。


時間がなくなったのでここで箸を止めますが、なんと2人とも和歌を意識して詠んだのはほぼ初めてとのことでした。

マジかって思いました。
「和歌詠もうよ」って誘ったら、こんなすごい歌が出てくるなんてマジか。


明日はそんなWAKA NOVAの記念すべき第一回目です。

お腹を空かせて臨みます。


ごちそうさまです。

まさかお金が振り込まれることはあるまい、と高を括っているので、サポートされたら、とりあえず「ふぁ!」って叫びます。