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川柳を作っています。
「世界からサランラップが剥がせない」
などなど。奇妙な世界を基本、週一回お届けします。句集『スロー・リバー』、『リバー・ワールド』の人間です。
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#詩
イミテイション・ゴールド 詩6篇
聖夜・八月
夜のまろやかさ
冗談の水飴を塗りたくられたみたいに
今日は、今日も、(たぶん明日も)人を憎んだ(憎むだろう)、こんなに人を憎むのは、僕のたがが外れているんじゃないかと思って、僕はたがが外れているのかなあ、と呟けば、その「かなあ」がどうしようもなく憎くて、いつしか僕は僕以外のものすべてを憎んでいるのだけれど、僕以外のすべてにはとうぜん僕そのものも含まれる
夜の音
パイプが ぎちり
雪國(スノウ・クラッシュ) 川柳70句
A : カウント・ベイシーの帰国(instrumental)
水道が凍りメンタルヘルスの日
萩本が私財なげうつA列車
針すなおからイチジクの葉の匂い
地下室の皇太后の螺子外す
にくしみの焼豚丼という写生
エディプスのひとり欠かさず堀を埋め
仏陀へとわたす模型の狸汁
カプセルに組織を容れる狂言師
天皇にnの数だけルビを振る
ボン・ジョヴィの草鞋に今日も詩を書いた
太陽と太陽でな
ノンキナトウサン 川柳64句
1.ブレードランナーズ・ハイ
異星間通信文に芋だらけ
鶏肉を買う列に居て誰かの死
木の鉢のイデアに白いヨーグルト
おれと云うおまえが死んだ野球帽
雀卓に頭蓋と同じもの載せる
心技体星へ行く船座礁する
うつし世の茶碗があった漂流記
猫カフェの猫がおびえる猫賀流
イントロで折れたポッキーだとわかる
銃仕舞う康成集に穴をあけ
武士の子の耳をスクショにしてばかり
教頭の妻などに似て