詩）花を愛でる人々よ

君の生まれた日に
咲いた白い花を
手のひらで優しく包み
空に捧げた

美しきものに人は弱い
儚きものに人は脆い
だから人は花を愛でた
小さく強く咲く白い花

花を愛でる人々よ
花の色は移りにけり
儚き夢　朧月夜
花びらから零れるメロディ

君が顔ほころばせた
薄紅色の花を
指先から風に流し
水に浮かべた

美しきものは心照らす
儚きものは心鳴らす
だから人は花を詠う
艶やかに誇り散る花

花を詠う人々よ
花の色に何を見る
果てなき夢　消えぬ心
その手で水を与えてください

君の涙の跡に
咲いた青い花を
君の眠る土に捧げ
空を見据えた

美しきものに人は弱い
儚きものに人は脆い
だから人は花を捧ぐ
気高く凛と立つ青い花

花を愛でる人々よ
花びら千切り何占う
儚き夢　消えぬ心
花が無ければ死にきれない

花を愛でる人々よ
花の色に何を見る
儚き夢　朧月夜
その手で水を与えてください