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血と煙草と薔薇のブルース

剃刀で瞼を切裂き
シュールレアリズムという秘密結社を興した
一人の赤蝙蝠
奴は壊れかけのレコーダーに
こんな言葉を残してやがったんだ
ヂゴクノソコマデ ツキアッテモラエマスカ?

振り向きざまにガツンと一発
それはまるでリハーサルの無い
天変地異史劇の始まりみたいなもので
イカサマの煙草に火を点け
平常心という三流役者を演じてみた

ほら、感じるでしょ?
「いや、何も?」
ねえ、熱くなるでしょ?
「え?何の事?」
ほら、あんたの指先
「左利きですけど何か?」
煙草が指を焦がしてる
「アチチ!」

死に損ねた蛍みたいね
「そんな事よりいつ戻ってきた?!」
ピースサインに希望があるわ
「まだ煙草の話?」
懐かしい匂い

ポツポツと 雨の港に 
別れの笛が聞こえる
さようなら あたい行かなくちゃ 
星がなくなる前に
その前に あんたの首もと少しだけ噛ませてよ
ヴァンパイア気取りのあたいに
血と煙草と薔薇のブルース

全然、痛くないわ
「滅多滅多に切り刻んだ筈なんだけどな」
初めてじゃないの
「灰は確かにマダガスカルの海に撒いたんだ」
ほら、あんたの指先
「まだ灰が残ってやがったか」
父さん指が背中押す
「イイネ!(サムズアップ!)」

ドクドクと 照りつく心に 
冷たい杭が討たれる
気をつけて 狂おしい程
あんたにセンチメンタル
そしてまた あんたの煙草を少しだけ吸わせて
ヴァンパイア気取りのあたいに 
血と煙草と薔薇のブルース

地獄の底迄 煙草の煙を
地獄の底迄 揺らめく血と薔薇を
感じてあんたの体温を探る
煙と共に消えた記憶の欠片
地獄の底迄 煙草の煙を
地獄の底迄 揺らめく血と薔薇を

火の無い所に煙は立たぬとは良く言ったもので、またこれも幾つもある作り話に過ぎないのだ。一つ言葉を紡ぎ、また言葉を綯い交ぜてしまえば、それは血の濫觴という事件に発展する。それが赤蝙蝠、盲目の影男、年老いた男娼、顔の無い郵便配達夫、そして煙という名の箱師を生み出すのだ。

さあ、事件の始まりだ!
今宵も眼球映写機が
スクリーンに犯罪を投影する!

挿入歌は勿論、血と煙草と薔薇のブルース!

2014年
スベテキエテナクナレ
ストロベリーソングオーケストラ
作詩/宮悪 戦車 作曲/キリヒラ ランセ

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