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藝術徒(ロボット童貞)が行く「日本の巨大ロボット群像」レビュー 〜コックピットフェチ?〜

どうも、魔法少女です。
福岡市美術館で開催されている「日本の巨大ロボット群像」展に行ってきました。私は熱心な特撮ファンという訳では全くないのですが、小さい頃からシンケンジャーやジュウオウジャーなどの戦隊ヒーローものは一通り見ていた記憶があります。自分がみたロボットが登場する作品は「エウレカセブン」くらいでしょうか、、、(迂闊にもエヴァンゲリオンをロボット作品として扱ってしまいそうになりました。そのくらいロボットに関しては素人です。)
さて、そんなロボット童貞の私ですが、なんとなく感じたことをまとめておきたいと思います。

鉄人28号、ゲッターロボ、マジンガーZ
ロボットの原始から展覧会は始まります。鉄人28号、ゲッターロボ、マジンガーZは私でも知っているマスターピースですよね。ちなみに鉄人28号に関しては主人公、金田正太郎が「ショタ」の語源になったことくらいしか存じ上げません。
◯合体ロボのロマンとビジネス
個人的に気になったのはゲッターロボを始めとした合体系のロボットでした。やはり合体はロマンというか、鉄の塊がガチャガチャ変形したり組み合わさったりするのは心躍りますよね。合体だけにとどまらず、コックピットの中でロボットが動き出す前に起動シークエンス的な手順をガチャガチャやっているのも個人的に同じような魅力を感じます。そういえば「仮面ライダーの変身も後世に行くにつれて複雑化していっている」という話を聞いたことがあります。
それだけでなく、単純にビジネス面でも狙いがあったのでしょうか?おもちゃやグッズとして展開するにあたってやはり遊びの幅があると嬉しいですよね。あと原作のシーンや動きを再現するみたいな遊びも楽しいです。幼稚園生の頃トランスフォーマーのおもちゃがどうしても欲しかった記憶が蘇りました。上に挙げた通り、仮面ライダーの変身ベルトの複雑化も同じメリットがあると思います。作りや遊び方が少し複雑な方が作品としての完成度や価値が上がりますからね。おもちゃを作る技術の進化とも相補関係があるのではないでしょうか。
◯甲冑や虫っぽいデザイン
もう一つ気がついたのがデザインが甲冑や虫っぽさをかんじさせるという事です。展示の最後のコーナーでインタビューを受けていた方(お名前を忘れてしまいました。申し訳ない、、、)が、、「巨大ロボットに乗り込むことに拘るのは日本人の甲冑の意識があるからではないか」と指摘していました。結果虫っぽくなっているのでしょうか?腹の部分などが特に虫っぽいなと感じました。

ガンダム
続いてはガンダムの展示コーナー。日本を代表する作品ということで大きな空間が丸々ガンダムに当てられていました。ガンダムのデザイン案の変遷や、アニメーションのレイヤー処理についての展示がありました。
◯ガンダム、デザイン案の変遷と口元の模様についての妄想
ガンダムのデザイン案の変遷にはロボットの美意識が洗練されていく過程が表れていて非常に興味深かったです。
案が更新されていくにつれ、腰や腕にくびれが出来たり、足が長くなって頭が小さくなったりと少しずつスマートになっていきます。ガンダムの初めの案は思い切り顔があったんですねえ。人間っぽい顔がついているロボットよりマスクを被ってる感じの方が好きです(個人的な意見です)。
最後の案から2枚目の絵に、アオリ視点で見たガンダムが描かれていたのですが、その口元があの今のガンダムの口元にある^←これが二個重なった様な模様に似ていて、それが変化したのかな、、、とか妄想してました。
◯アニメーションのレイヤー、針葉樹や岩肌の重要性
アニメーションのレイヤーが透明のアクリル板に一枚一枚描かれている展示があり、これが非常に面白かったです。
ロボットの上にあえて針葉樹を被せる事でリアリティやそのロボの大きさを表現しているらしいです。まさに一石二鳥、、、さりげない表現が素晴らしいですよね。また、ロボット同士の間に木や岩などを挟む事で遠近感、空間の関係を分かりやすくするという工夫もあるらしい。単純に勉強になりました。

ガンダム以後のロボット
すいません。ガンダムまではギリギリ分かる作品があったのですがこの後の作品はもう殆ど知らなくて、、、ただ自分のフェチについて面白い発見があったので書いておきます。
◯狭くて暗いコックピット
自分が一番「おっ」と思ったのは、、、コックピットの絵でした。(しかもそんなに大きくない画像だったのに笑)あのギュウギュウに詰められた機材やそこかしこにあるボタン、レバー。薄暗い中光る計器やモニター。これがグッときてしまった、、、思えば昔からこういうのが好きだったと思います。夜な夜な布団を被っては、その中の狭い空間をコックピットに見立て巨大ロボや戦艦に乗っている妄想をしていました。そして、それは単に楽しいからやっていただけではなくて、そこに確かなエクスタシーが存在した様な気がするのです。なんというか、コックピットの安心感?一枚壁を隔てた向こうで爆発や銃撃といった恐ろしいことが起こっているのを想像すると、なんとも言えないゾクゾクとしたエクスタシーがあったのです。「胎内回帰」というやつなのかもしれません。なので、必ずしも私が操縦して戦っていなくても良かったのです。とにかく、激しく戦闘する兵器の中で不安に震えながら、小さなモニタから外の様子を伺う。その情景と行為自体に性的な気持ちよさを感じていたと思います。クリムトの「ダナエ」を見た時にも不思議と同じ様な気分になったんですよね、、、そういうフェチなんでしょうか。同志が居たら会いたいです。
◯個人的に一番カッコよかったロボット
一番かっこいいと感じたのは「ツァラトゥストラ、アフターブリンガー」でした。何というかそれまで「男っ」って感じの無骨なデザインのロボットばかりだったので、細身の美しいシルエットを見た時おお!となりました。作品は全く存じ上げませんので全然語れないのですが、何というかあの細い腰に対して胸と腰のゴツい装備という造形の疎密のバランスが美しい!やはりあの腰ですね。優美な曲線、ほっそりした感じ、、、顔も女性の仮面みたいになっていてバロック的な美を感じました。ニーチェとはなんか関係があるのでしょうか、、、

という感じでした。

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