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104○ 2/12 書き下ろし「旅の伸び代」
「旅の伸び代」
同じ時間に
同じ道
同じ景色に
同じ顔ぶれ
忙しなく歩く誰かさんも
いつも見れば
私の中では顔見知りになる
羽を伸ばして
違った脇道に行っても
戻らない冒険は
出来なくなってしまった
知らずのうちに
固まった明日の首輪を集めていて
じゃらつく音に耳は潰れ
首は同化寸前である
首輪を外せるならば
片手を一本くれてやる
その代わりに
保証ない旅路が一つ
苦難の末に果てたとしても
千切れた片手に花を咲かせて
進むのである
***
黄赤青(きせきせい)
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