115○ 2/23 書き下ろし「時間軸」
「時間軸」
午前三時の国道には墨の中に沸騰した光が咲いている。直接感じられなくても闇夜になれない私の瞳は太陽の変わりに追ってしまい、行き場を失ったのかさまよっているのか行方を予測出来ない動きに、二つでは足りない疲弊をする。眠らないでと体を傷つけてまで覚醒を延長し、代わり映えのない景色に到着の映像を投影していく。
同じ時代に同じ時間軸を持った人間の皆様。この静けさは届きますか。眠っている間に夜は明け当たり前のように明るい景色を吸い込む毎日。大概が前提で、例の中で、生きる日々。
空気は冷やされ改められた清々しさ。濃紺にも青紫にも赤黒くにもとれる深夜の時間は、決して眠っているわけじゃないのだから。
***
黄赤青(きせきせい)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?