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114○ 2/22 書き下ろし「チルド」
「チルド」
鼻の奥に入って脳を涼しい空気で包んでくれるような感覚を覚えた朝。これだけで今日という日は成功した。子供たちを包み隠していた冬が溶け始め、活気の一時停止が解除されると同時に、緩んだ警戒心に虎視眈々と狙うウイルス。微妙な案配で生活は暖かさを取り戻していく。
私は私の中に住む私と対話をする。冷たく装おった箱の中身は熱くて外へ出たい私。閉じ込めておきたくはないが制限するのは心が痛い。凍らさないように溶けないように温度の守護神は密かにその時を待っている。
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黄赤青(きせきせい)
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