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管理委託契約削減への取り組み(11)

 管理会社(Y部長)との管理委託費3割削減(値引き)交渉が本格スタートし、管理会社側から以下の提案がありました。

  1. エレベーターのメンテナンス会社をメーカーから変更を認める

  2. 機械式駐車場もメーカーメンテからの変更を認める

  3. 管理員の勤務時間は1日2.5時間短縮する(9時~17時を9時半~15時に)

 でも・・・話にならない提案を一蹴しちゃったので、面談は物別れに終わりました。
 ただ・・・なんとか合意点を見出したい思いは、私もY部長も同じ!
 3回目の面談は、果たしてどうなるのか???
 今回は、3回目の面談をお伝えします。

これまでの記事は、こちら!   
 「管理委託契約削減への取り組み(1)
 「管理委託契約削減への取り組み(2)
 「管理委託契約削減への取り組み(3)
 「管理委託契約削減への取り組み(4)
 「管理委託契約削減への取り組み(5)
 「管理委託契約削減への取り組み(6)
 「管理委託契約削減への取り組み(7)
 「管理委託契約削減への取り組み(8)
 「管理委託契約削減への取り組み(9)
 「管理委託契約削減への取り組み(10)

マン管ブロガー たにやん

でも、その前に・・・
エレベータ―のメンテナンス契約について

 うちのマンションのエレベータ―メンテナンス契約は、製造メーカーによるフルメンテナンス契約です。
 Y部長からの提案は、「独立系メンテナンス会社によるPOG契約に変更することで年額約50万円の委託費削減が可能になる」でしたが・・・
 私がY部長からの提案を一蹴した理由を先にお話します。
 簡単に言うと・・・Y部長の提案では現在の管理仕様から大きくスペックダウンし管理組合が損をすることが明白だと気がついたからです。

フルメンテナンス契約とは?POG契約とは?

 エレベータ―を運転し続けていくと・・・さまざまな交換部品が必要になります。例えば、かごを吊り下げるロープ・ワイヤーや停電バッテリー等があります。これらは、(工賃を含め)とても高価な部品になります。
 フルメンテナンス契約とは、それらの高価な消耗部品の交換費用(部品代+工賃)も保守内容の中に含まれた契約を言います。
 一方のPOG契約とは、高額な部品交換が必要となった時の費用が別途に請求される(=保守内容に含まれない)メンテナンス契約を言います。

POGとは
 POGとは、「Parts・Oil・Grease(パーツ・オイル・グリス)」の略称です。POGに含まれるもの(=契約内で無償交換される部品等)には・・・
 モーターの消耗電気部品類、ヒューズ類、各種ランプ類(標準的なカゴ内の照明ランプ、操作盤等の文字照明用ムギ球等)、ギア(歯車)やロープ等の潤滑用オイル類、金属ベアリング等の潤滑用グリス類、ウエス(雑巾)、サンドペーパー(電気接点等を磨くための紙やすり)、ビス・ナット・ワッシャー類、等々・・・があります。

 言い換えると・・・フルメンテナンス契約とは、
 将来の高額な部品交換に備えて、保守会社さんに毎月お金を預ける(前払いする)メンテナンス契約、ということです。
 つまり・・・管理会社からの提案は、マンションが竣工してから5~6年間預け続けた(前払いしてきた)将来の高額部品交換費用を捨てませんか・・・という提案になるのです。(そんなアホな・・・)

メーカー系列と独立系会社のメンテナンスの違い

 前にもお話しましたが・・・エレベータ―メーカー各社は、価格競争が厳しく・・・販売時に損をしてメンテナンス契約で利益を上げる(損を取り戻す)ビジネススキームで成り立っています。
 また、独立系各社はメーカー系と較べた時の「安さ」が売りなので・・・同じメンテナンス契約であっても、独立系のメンテナンス契約費用の方が(かなり)安価になると思います。

 独立系保守会社にもピンからキリまであるので、一概に言えませんが・・・独立系のメンテナンスが大きく見劣りすることはないと思います。
 そしてなにより・・・エレベータ―メーカーが独立系に対して行っていた「部品デリバリー遅延問題(=嫌がらせ)」は、(司法判断や行政指導によって)ほぼ解消しています。

 以上の観点からすると・・・独立系のメンテナンスでも悪くはない(=大きな不都合は無い)と思います。

 ただ・・・メーカーがメンテナンスでは、遠隔監視による24時間365日の高度なメンテナンスが可能ですが・・・独立系では難しい等、独立系が色々と見劣りする部分もあります。
 そして何より・・・ユーザー心理からすると、何となくメーカーメンテナンスの方が安心できますよね。

いよいよ・・・3回目の面談(戦闘?)開始!

 おまたせしました!(笑)
 ようやく・・・3回目の面談の話をする場面に漕ぎ着けることができました!

 3回目の面談で・・・Y部長は、2通の見積書を提示されました。
 1通目は、現行と全く同じ仕様での管理委託契約金額が記された見積書で・・・2通目は、前述のスペックダウンを織り込んだ見積書でした。

 1通目の金額は年額約750万円(現行より▲50万円・約6%削減)、2通目は年額約610万円(現行より▲190万円・約24%削減)でした。

話にならんわ・・・これは協議決裂かも?

 Y部長の説明を聞きながら、「これは終わったか?」と正直思いました。

 さまざまなご説明を受けた後・・・私からY部長には以下のとおりの無茶な提案を振ってみました。(笑)

 「ありがとうございます。2通目の管理仕様ダウン仕様の見積書の方は、管理組合内で合意を取るのが難しいと思いますので・・・やはり受け入れられませんね。ですから、どちらかを選ぶとなると・・・1通目の現行同仕様の方になると思います。
 部長のお話を伺いながら・・・私は、他の管理会社へのお声掛けを中止し、今回ご呈示の金額で次年度更新を進める方法もあるかな?と思いました。
 ただ・・・その際は、新築時に御社のグループで作成された長期修繕積立金計画に従って一時金回収を責任もって円満かつ確実に行うことを約束してください。その旨を御社から管理組合あてに一筆いただけると、組合員が安心できます。
 そうしていただけたら、今すぐに修繕積立金の値上げを検討することも、これ以上の管理委託費の見直しをする必要性もなくなるので、私の肩の荷もおります。部長!如何でしょうか?」  (つづく


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