管理委託契約削減への取り組み(10)

 管理会社で決裁権をお持ちのY部長と管理委託費3割削減(値引き)に向けた具体的な交渉が・・・ついにスタート!

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Y部長からの提案

 Y部長からは、開口一番「正直、3割削減は厳しいです。でも理事長のご希望にできる限り近づきたいと思っています」・・・みたいな話からスタートされました。
 
 私は「わざわざ京都にお越しいただいたY部長に感謝します。ありがとうございます。そんなY部長がおられる今の管理会社とパートナーシップを継続するのが、うちのマンションにとってベストだと信じています。
 そして、今回の交渉が真のパートナーシップを築く良いきっかけになることを大いに期待しています。
 でも、うちのマンションにも背に腹は代えらない事情があります。
 3割削減のご呈示がいただけない場合は、残念ながら・・・この交渉は終了して他の管理会社に見積依頼する次のステップに進むことになりますが、そうならないことを強く望んでいます」と返答しました。(強気すぎる?でも前哨戦としては・・・こんなもん?)

 そんなこんなで、今回の面談で出てきたY部長の提案は・・・「以下の条件を認めてくれたら、3割削減に近づける」という内容でした。
  ① エレベーターのメンテナンス会社をメーカーから変更を認める
  ② 機械式駐車場もメーカーメンテからの変更を認める
  ③ 管理員の勤務時間は1日2.5時間短縮する(9~17時を9.5~15時に)

他の業務の会社変更は?

 Y部長には、エレベーターと機械式駐車場の保守点検会社以外の下請け会社の変更は考えていないのか?質問しました。
 Y部長の回答は「それは分からない」ということでした。

 Y部長の回答を聞いて・・・「Y部長の提案は、全ての下請け会社を(コストの安い会社に)入替える・・・ということだな!」と思いました。

 事前に契約書を読み込んでいた私がそう思った理由は・・・
 以下のとおりです。
 実は、管理委託契約の中の管理仕様にエレベーター保守点検会社としてメーカー系列会社名が・・・そして機械式駐車場保守点検会社として製造メーカーが・・・記載されていたのです。(他の業務には指定会社の記載なし)
 つまり、エレベーターと機械式駐車場のメンテナンス会社を変更すると、契約内容(仕様)の変更になるということです。
 一方、その他の業務(消防設備点検・貯水槽清掃・排水管清掃・定期清掃・植栽剪定等)の担当会社変更は、契約変更にならないのです。

そんなん・・・話になりまへん!

 いずれにしてもY部長の提案は・・・単なるスペックダウン提案で、うちの管理組合として受け入れることができません。

 私からは、Y部長に管理員業務・機械式駐車場保守点検業務・エレベーター業務等の(想定される)人件費と委託業務費との比較のために作成した資料をお見せし・・・管理組合として3割のコストカットは、無茶な数字を要求しているとは考えていないことを改めて主張しました。
 その上でY部長には、あくまで同じスペックでの3割コストカットを実現して欲しいことを強くお願いしました。(エレベーターや機械式駐車場だけでなく、全ての下請け会社の変更も認めたくない!と、付け加えたかも?)

管理員業務の時間削減は・・・

 うちのマンションは毎週2回の生ごみ収集日があります。
 京都市のゴミ収集車が8時から不定期な時間にやって来るので・・・本来9時から勤務の管理員さんは、週2回8時から勤務されてます。

 そんな申し訳ない事情なので・・・私は理事会に提案して、管理員さんが8時に出勤された日は16時に業務を終了しても良いことを決議しました。

 仮に出勤時間が9時半からになると・・・週2日は、ほぼ午前中で勤務が終了することになります。
 しかも管理員さんの午前中は日常清掃を兼任されていますので、本来の管理員業務は週3回しかできないことになります。
 Y部長の提案は机上の空論で、うちのマンションの事情は全くご存じないのでしょう。

Y部長にヒアリングしてもらった!

 私は、Y部長にうちのマンションの状況を把握してもらう目的で・・・私とY部長の二人で、管理員さんにヒアリングをする機会を設けました。
 もちろん管理員さんには・・・管理員業務の勤務時間短縮の提案が出されていること(=管理員さんの給料が減額するかも?)をお伝えしていません。

 管理員さんは、うちのマンションでの仕事にプライドをお持ちで・・・きちんと仕事をされる一方、マンション住民からも愛された方でした。(前にもお話したかもしれませんが・・・退職された後にお亡くなりになった時は、マンション内で「偲ぶ会」が開催されたくらいです)

 管理員さんは、Y部長に1日の勤務の流れ、ゴミ収集日のことや(当時マンションにたくさん居た)小学生が帰宅する見守りでマンション住民(親)から感謝されたこと等を生き生きと話されました。

 Y部長は、管理員にヒアリングをされ、実際に子供たちが帰宅して管理員さんと挨拶している様子等を目撃され・・・うちのマンションが管理員業務の時間短縮提案を受け入れ困難であることを感じられたと思います。

管理員さんにご希望聞いてみた!

 ヒアリングの最後に・・・私は、管理員さんに「今、Y部長と管理委託契約の見直しを話し合っているのだけど、もし交渉が不調に終わったら他の管理会社に変わるかもしれない状況です。万が一そうなったら、うちのマンションの管理員を続けてもらえますか?」に伺いました。

 管理員さんは「部長の前で申し訳ないけれど・・・私は、できる限りここの管理員を務めたい」と返答されました。(管理員さんと下打合せはしてないよ。ヒアリングも面談の途中で思いついたことだったし・・・)

 いすれにしても・・・管理員さんが「会社」よりも「現場」を選択されたので、ホッとしました。(気持ちの上で・・・交渉のカードが1枚増えることになった!)

3回目の面談へ

 Y部長には、社内のヒアリングだけでは把握できないことを知っていただき、また知っていただいた上で3回目の面談の約束ができた(=交渉決裂にならなかった)ので、良かったと思いました。
 さて、2回目の面談から、(Y部長のご希望で)2週間後に設定された3回目の面談・・・今度は、どんな提案が出てくるのか?次回お話ししたいと思います。  (つづく

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