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管理委託契約削減への取り組み(5)

 本シリーズでは、これまで・・・管理会社と管理委託費3割削減(値引き)交渉を行おう!と決意した経緯を説明してきました。

 管理委託費3割削減は年間240万円の削減になるので・・・
 これを修繕積立金(貯金)に回せは・・・うちのマンションが大規模修繕工事の周期と考えている15年で3600万円!積立できる~~!
 これはヤリガイあります!

 そして前回は、3割削減(値引き)の根拠(皮算用?エビデンス?)をお話しました。
 いよいよ今回からは・・・管理会社と「管理委託費3割削減作戦」の交渉がスタートします!

   「管理委託契約削減への取り組み(1)
   「管理委託契約削減への取り組み(2)
   「管理委託契約削減への取り組み(3)
   「管理委託契約削減への取り組み(4)

「キーマン」がテーブルに着くまで(前半)

 「キーマン」とは、管理委託費に関する決裁権がある役職の人、もしくはそれに準じる人を指します。
 「キーマン」と直接話をしないと(交渉しないと)「ご希望は会社に持ち帰って回答します」みたいな話になり・・・良い結果を生みません。
 特に、今回のような折衝では尚更そうだと思います。

 ということで・・・まずは、管理会社の「キーマン」だったY部長が交渉のテーブルに着くまでの経緯(今回は途中まで)をお話します。

(3割削減交渉実施が決議された)理事会のあと

 理事会終了後の私には、理事長印の押印作業(=理事会決議に基づく決済作業)が待っており・・・フロント担当者と集会室で二人になります。
 フロント担当者には、管理委託費削減交渉について・・・「管理委託費に関する決裁権がある役職の人と直接交渉したい。私は何をすれば良い?大阪支店に訪問しても良いよ」と伝えました。

 フロント担当者は「承知しました。上席と伺います」と返事してくれましたが・・・私たちマンション管理組合側の決意の程を充分に理解してくれていなかったようです。

そして現れたのは・・・

 そして・・・1週間後に現れたのは、フロント担当者が所属するチームリーダーAさん(お名前と役職を失念しましたので・・・「Aさん」にしました)とフロント担当者でした。

 Aさんは、理事長の私に話されたことは・・・
 「谷理事長が真剣に取り組まれていることは敬服します。ただ・・・3割削減は、誰がどう考えても現実的ではないと考えます。
 合意に至るのが困難な交渉を進めるよりは・・・修繕積立金不足問題を解決するためのアクションを早急に実施する方が得策ではないでしょうか?」といった内容でした。
 そして・・・社内で決済を取った見積書の提示がありました。
 提示のあった金額は、約2%値引かれた・・・年額780~790万円位でした。

たにやん断る!(笑)

 Aさんには以下の理事会決議を直接を直接お伝えし、私が不退転の決意で取り組んでいることをお話し・・・提示のあった2%削減案を丁重にお断りしました。
  ① 削減目標を30%(年間240万円)と定める。
  ② 管理委託内容の変更(管理仕様のスペックダウン)は織り込まない。
  ③ 管理組合の窓口は、理事長の谷が担当する。
  ④ 相場を知るため、他の管理会社から見積を取得する。

 その上で・・・④の他の管理会社から見積取得するために必要な書類を揃えるように依頼しました。(この依頼は、管理委託契約書の管理仕様書に基づいた依頼です)

20世紀?(昭和?)の管理会社業界は・・・

 2000年を迎えるまで・・・新築時のマンション管理会社が、マンション管理組合の意向で変更されることは、ほぼ無かったと思います。
 あるとすれば・・・管理会社との管理委託契約を打ち切って「自主管理運営」に切り替えたマンション管理組合くらいだったのでは?と思います。

 もしマンション管理組合がそうした動きをしても、管理会社が(あの手、この手を使って)全力で阻止されるし、隠密裏に他の管理会社に見積依頼しても超高い見積書が提示されるし、隠密裏に見積依頼したことも現行管理会社に把握されている・・・完全なる「売り手市場」(管理会社主導の市場)だったと言えます。

 その背景には・・・マンション管理会社業界には(当然のように)業界団体があり、お互いのテリトリーを守る暗黙の了解があったのだと思います。

管理会社の業界は・・・戦国時代突入!

 2001年に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(マン適法)が制定されて、マンション管理会社の業界団体は、法律によって「マンション管理業者の団体」(マン適法 第4章 95条~102条)として指定されることになりました。

 国の指定団体(現在の団体名称:「一般社団法人 マンション管理業協会」)となったことで、管理組合等からの苦情の解決を行うことも業務に盛り込まれました。
 業界団体に法定で公益性が問われるようになったからか?この頃から管理会社間の「暗黙の了解」は崩れ始めたように思います。

 この頃から、「管理会社リプレイス」が行われるようになりました。

「管理会社リプレイス」とは?
 「リプレイス:replace」とは、「新しく交換する、置き換える、後を継ぐ」という意味です。
 つまり、「管理会社リプレイス」はマンション管理組合が管理委託の契約先(管理会社)を変更することを指します。

 (やんちゃな?)管理会社の中には、新築マンションの管理委託契約数より他の管理会社が奪った管理委託委託契約数の方が多い!なんて会社も登場しました。

今回の雑談

 当時の私は、そんな管理会社の業界事情を全く知りませんでしたが・・・
 我が家に導入したばかりの高速通信サービス(ADSL)に感動しながら(笑)ネットサーフィンして、管理会社を変更した事例やノウハウ(ヒント)なんかの情報を・・・せっせと収集してましたね。(当時が、ちょっと懐かしいかも?(笑))

 そう言えば・・・当時はSNS(ソーシャルネットワーキングサービス「Social Networking Service」)が登場する前の時代でした。
 「twitter」も「Facebook」も「Instagram」もなく、(一世を風靡した)「mixi(ミクシィ)」も生まれる前の時代・・・

 当時のインターネットの情報量は、圧倒的に少なかったのですが・・・「フォーラム@nifty」を足がかりにして、管理会社や管理組合支援を名乗る団体のホームページなどをチェックしていたと思います。

今回のまとめ

 いずれにしても・・・今から思うと
 管理委託契約の削減交渉を始めたタイミング(2003年~2004年)は、結果的にベスト!だったと思います。  (つづく


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