フロント担当!使わな損?損?(8)

 マンション管理組合は、「手抜き」されても、されなくても・・・管理会社に支払う管理委託契約金額は同じ。
 ・・・だったら「手抜き」対象マンションになったら損だよね!みたいなコンセプトで、自分のマンションが(激務の)フロント担当者に「手抜き」できるマンションとして認識されないために必要な理事役員の心得的なお話をしてきました。
 そして前回は、「セカンドオピニオン」の重要性についてお話しました。
    「フロント担当!使わな損?損?(1)
    「フロント担当!使わな損?損?(2)
    「フロント担当!使わな損?損?(3)
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    「フロント担当!使わな損?損?(5)
    「フロント担当!使わな損?損?(6)
    「フロント担当!使わな損?損?(7)

 今回は、具体的に理事会運営をどうすれば良いのか?
 そのヒントになればと思い・・・具体的に理事会をイメージしながら、2つの「べき論」をお話したいと思います。

① 理事会の議長・・・理事長が務めるべし!

 理事会の議長は、理事長です。多くのマンション管理組合の管理規約では、そうなっていると思います。
 少なくとも管理規約に「議長は管理会社が務める」とは書いていません。
 でも・・・管理会社のフロントが理事会を仕切って議事を進めている理事会がとても多いのでは?と感じています。

 議事の内容説明は、管理会社のフロント担当者が行っても良いと思いますが・・・「理事会の議事進行全てをフロント担当者に任せ切って開催」は、やっぱり改めた方が良いと思いますね。

 「そんなこと言ったって・・・フロント担当者以外は、理事会の議案内容を把握していないし、無理~!」みたいな声が聞こえてきそうです。
 理事長だからといって、マンション内部のことを把握できる訳ではないので・・・それは当然です。
 でも、それでも・・・議長は、理事長が務めるべきです。

 議長の役割を管理会社に任せることは、管理組合(理事会)の主導権を管理会社に引き渡すことに他ならないからです。

それじゃあ、どうするの?

 私は、理事役員の三役とフロント担当者による「プレ理事会」開催をおススメします。
 事前に理事会の審議内容を打ち合わせしておけるので、理事会の時間短縮にもつながります。
 私の経験では、3時間以上かかっていた理事会に「プレ理事会」を提案し実施してもらったところ・・・理事会開催時間は半分(1時間半)になった管理組合がありました。(「プレ理事会」は30分~1時間で終了)

 プレ理事会は、(フロント担当者の準備期間を考えると・・・)できれば理事会の1週間くらい前に開催するのが理想的です。
 でも、お仕事の関係で・・・2週連続して帰宅時間を早めることが難しい理事長もおられると思います。

 そうした場合は電子メール等を使ったり、理事会開催の30分前に三役が集まって理事会の議案内容の確認をしたり・・・手段は、色々あると思います。

 これをするだけで、理事会の進行が随分違うと思いますので・・・特に理事会開催時間がいつも2時間を超える理事会には、おススメします。


② 出席理事全員に発言機会を設けるべし!

 理事会って月1回開催され・・・1回あたり大体2時間弱くらいの会議になると思います。この2時間の理事会の間・・・一言も発言せず、ただ座っている理事役員おられませんか?(苦行じゃないんだから・・・(笑))

 理事会の議長である理事長は、出席理事役員全員が、一度は発言するように心がけてください。(そこは、議長の腕の見せどころ!)
 例えば、理事会で意見を答えやすい問題を審議しているタイミングで、発言されていない理事役員に対して質問をしてみるのです。
 「この問題に対して○○さんは、どう思われますか?」みたいに振れば良いのです。

 指名されると誰でも必ず何かしら・・・一言・二言の発言が出ます。
 出たらシメタものです!「発言した」という経験ができると、次の発言が出やすくなるからです。

 出席理事の発言する機会が増えると・・・自主的な発言も増えます。自分たちがマンション管理組合の管理運営という神輿(みこし)を担いでいる雰囲気は、こうしたところからも作られるのでは?と思います。

本日のまとめ

 管理会社のフロント担当者にとって「お通夜」のような理事会は、管理会社からの提案事項が自動的に承認されていくので・・・超ありがたい理事会です。(それが過度に進むと理事出席が半数未満に陥り、理事会が成立しない
ことが日常茶飯事・・・なんてことになっているマンションもあるのでは?)

 フロント担当者にそのパフォーマンスを発揮してもらう(=「手抜き」されない)ために、まず大事なのは・・・
 「理事役員が主体的に(能動的に)理事会を運営する」ということです。

 それには、理事会で理事役員全員から発言が出てくる・・・みたいな理事役員の雰囲気が大事だということです。

 いずれにしても・・・
 私がお話した提案は、あなたのマンションに「有効」でないかもしれません。(各々色々考えてトライして欲しいと思います)
 でも、今回お話したような「手順」というか「手間」を少しだけ加えることで、受動的(受け身)になりがちの理事会運営が・・・能動的な(自分たちが主体になる)会議に変化するのでは?と思います。

 次回は、理事会の中で意外に重要だな?と思うことが多い、管理員さんの報告について、お話ししたいと思います。  (つづく)

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