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フロント担当!使わな損?損?(4)

 このシリーズでは、フロント担当者が担当するマンション数を管理会社の経営者目線で考え、フロント担当者がどんな仕事をしているのか?を考えた結果、フロント担当者の仕事は、激務(ハードワーク)だ!ということが分かりました。
    「フロント担当!使わな損?損?(1)
    「フロント担当!使わな損?損?(2)
    「フロント担当!使わな損?損?(3)

 フロント担当者は、どこかで手抜きしないと仕事がこなせない!とすると・・・(担当する)どこかのマンションを「手抜き」しているかもしれない・・・ということになります。
 今回は、自分のマンションがフロント担当者の「手抜き」とは?または「手抜き」が起きるマンション管理組合って・・・どんな管理組合か?考えたいと思います。

フロント担当者の「手抜き」って?

 フロント担当者が行いそうな「手抜き」ってどんなことがあるのか?
 思いつくまま列記すると・・・次のとおりになりました。(思いつくままなので、他にも一杯あると思います)
 
 (理事会運営に関して)
  ・ 理事会開催が月1回以下(小修繕等の決済は理事長一任で実施)
  ・ 修繕工事等の議題(決議)に終始する
  ・ 会計・点検・作業の報告等が簡単に流される(または、しない)
  ・ 理事会が1時間以内で終了する
  ・ 理事会の議事録(案)の提出が遅い(1月以上かかる)
  ・ 理事会等で依頼した宿題が保留されていることが多い
  ・ 理事役員がフロント担当者の対応が悪いと感じている

 (会計に関して)
  ・ 未収金が長年放置されている(理事会でも取り上げない)
  ・ 全て理事長一任で支出(もしくは、勝手に?自動的に?支出)
  ・ 積立金増額といった合意に手間取る問題は、先延ばし(放置プレイ)

 (管理運営に関して)
  ・ 管理組合(住民)からの問い合わせ等に対するレスポンスが悪い
  ・ 管理員がフロント担当者の対応が悪いと感じている
  ・ マンション内からの苦情処理等を含め、全て管理員に担当させている
  ・ 理事会開催日以外は、マンションに来訪したことがない

 これらの項目に幾つか当てはまるマンション管理組合(理事会)は、フロント担当者に「手抜き」されている可能性が高いかも?しれません。(そうではない場合もありますが・・・)

マンション管理組合で「手抜かり」が起きる原因は?

 フロント担当者としては、マンション管理組合(理事会)で「手抜かり」があると「手抜き」しやすくなります。
 ということで・・・次に「手抜かり」は、どうやっておきるのか?考えたいと思います。

「無関心」では・・・痘痕(あばた)も見えない

 「痘痕(あばた)も靨(えくぼ)」という諺(ことわざ)があります。
 その意味は・・・「相手を好きになった人の目には、天然痘が治癒した後にも顔面に残る発疹の跡である「あばた」でも、相手の顔にあれば笑うと頬にできる窪みである「えくぼ」のように見えるということから、相手に惚れていると相手の欠点すらも長所に見えるということを指すことわざである。」(出展:ウィキペディア)

 でも・・・無関心な人が「痘痕(あばた)のある人」に出会っても、痘痕(あばた)に気がつかないかもしれません。これってマンション管理も同じことなんです。
 つまり、自身のマンションに目を向ければ向けるほど・・・マンション内のさまざまな問題が見えてきますが、無関心であれば(目を向けなければ)何も見えてこないのです。
 仮に何か問題があっても(顧客である)マンション管理組合にその問題が見えていないのだから・・・フロント担当者は、その問題解決のお手伝いに取り組む必要がなくなります。
 例えば、理事会の開催頻度や時間が短い・・・というのは、理事役員にマンション内にある様々な問題に目を向けてもらわない(=フロント担当者が自身の仕事量を軽減)するために有効な手立てなのです。(理事会で修繕工事の議題で終始するのは、フロント担当者のノルマ達成のためには必要)

「無関心」だと・・・ホント何も見えないかも?

 また、もう一つ知っておくポイントがあります。
 一度でも・・・「痘痕(あばた)に目がいくと・・・他の痘痕(あばた)も見えてくる!」という側面です。

 これもマンション管理に限ったことではないと思いますが・・・私の経験上、マンション管理に・・・この側面はピッタリと当てはまる気がします。
 ある問題に注視すればするほど・・・次々と新たな問題が見えてくるのです。(注視する前は、何も見えていなかったのに・・・)
 このことは、私も初めて理事長に就任(20年位前?)した時・・・強く思いました。

今回のまとめ

 フロント担当者は、理事役員に「無関心」になってもらうことで、自身の仕事量を減らすことができる・・・というカラクリをお話しました。

 でも・・・それって、フロント担当者の責任ではなく、マンション管理組合側の責任だと思うのです。
 見えていなかった問題が潜在化して知らぬ間に徐々に深刻化していく・・・そんなパターンに陥っている高経年マンションって、ホント多いと思いますね。(京都市のマンション実態調査を行った時の実感です)

 そして・・・そんなマンションの管理委託を長年続けてきた管理会社には、何の責任もありませんし、ペナルティもありません。
 ペナルティ(例:お金が貯まってなくて修繕できない等)は、マンション管理組合自身が負うだけの話だからです。

 次回は、フロント担当者にできる限り「手抜き」されないためには、マンション管理組合(理事会)として、どうすれば良いのか?考えたいと思います。  (つづく)
 


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