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フロント担当!使わな損?損?(2)

 「フロント担当!使わな損?損?(1)」では、管理会社の経営者の立場になって考えてみると、「フロント担当者(=営業マン)には粗利益(=売上高から売上原価を差し引いた利益のことで・・・一般管理費等を考えない単純な儲け額のこと)を300万円位稼いでもらわないと社員の給料が払えない。なので・・・フロント担当者一人当たり15マンション位は担当してもらわないとなるかも?」というお話をしました。
 フロント担当者のへ近マンション担当数は15!と聞くと・・・
 いやいや15マンション担当は、多過ぎるやろ~とか・・・
 逆に少なすぎるやろ~とか・・・色々と声が聞こえてきそうです。

 フロント担当者のことを(内容を全体的にとらえる)総論的な観点で語る時の想定(前提)として・・・「平均担当マンション数15くらい」がホントに適当なのか?考えて見たいと思います。

 私が言いたいのは・・・「平均担当マンション数15くらい」であっても、なかっても・・・フロント担当者は激務ということです。
 要するに(手に余る位)たくさんのマンションを担当しなければアカンのがフロント担当者!ということです。

マンション担当数が少ない管理会社の場合

 フロント担当者一人当たりのマンション担当数を「平均担当15くらい」より少なくできるためのファクター(要因)として・・・まず思い浮かぶのは2つかな?

 その1つは、マンション管理委託契約するマンションの平均住戸数(=規模)が大きい管理会社の場合です。
 マンションの規模が倍になったら契約金額も倍!ということはありませんが、単価がUPするのは間違いないと思います。

 そしてもう一つは、売上目標の中にマンション管理組合から受注する工事費等の売上が含まれている・・・という場合です。
 工事等の売上構成比率はともかく・・・大手の管理会社は、大概このパターンじゃあないかな?と思います。

 例えば、フロント担当者のノルマの中で、工事売上げ等の比率が50%だとそうると・・・マンション管理委託契約の売上げは半分で良くなるので、担当マンション数は6~8マンションでペイできる!ということになりますね。

 また多くの管理会社では・・・フロント担当者に売上の数字だけでなく、(今ならば・・・)例えば「リモート理事会」(ケースバイケースで有効な場合もあるだろうけど、ますます管理会社主導で理事会運営が進むヨカン)の実施数等がノルマになっていたりしてます。
 どこの管理会社のフロント担当者も・・・傍目から見ていると、ホント大変そうに見えるかも?

マンション担当数が多い管理会社の場合(その1)

 逆に・・・フロント担当者一人当たりのマンション担当数は「平均15くらい」では無理~という管理会社の場合も・・・2つのファクター(要因)がありそう。

  1つはマンション管理委託契約するマンションの平均住戸数(=規模)が小さい・・・というファクターかな?
 これも・・・マンションの規模が半分になったら契約金額も半分!ということではありませんけど・・・規模が小さすぎて管理員を常駐できないマンションだと、管理委託費は・・・かなり安くなるかも?

 そして、もう一つは、マンション管理委託契約を安い金額で受注している場合だと思います。
 それには、以下のような時代背景があります。

管理会社リプレイスブーム?

 マンション管理組合が管理会社を変更することを「リプレイス:replace」と言います。リプレイスは「新しく交換する、置き換える、後を継ぐ」という意味です。

 1990年代位までは、管理会社同士お互いがお互いを守る傾向にありました。受注しているマンションが管理委託契約先の変更を検討しようものなら業界あげて阻止する・・・みたいな感じ?
 当然に管理委託費は高留まり傾向でした。

 ところが2000年代に突入した頃から様子が変わり・・・群雄割拠の戦国時代(笑)に突入しました。
 「管理会社のリプレイス(変更)」が加速度的に増えたからです。

 私も2010年以降・・・マンション管理組合からの依頼で管理会社のリプレイスのお手伝いを随分やりましたし、自身のマンションでもやりました。(私のキャパでは1年1マンションのお手伝いが精一杯でしたが・・・)

 この当時、管理会社によって、そのスタンスは大きく2つ別れました。
 1つは「城を守る(現在の管理委契約継続を死守する)」管理会社!
 そしてもう1つは「城を攻める(他社の委託契約を奪う)」管理会社!です。
 後者の管理会社では、新規受注の委託契約数が「新築マンションの契約」よりも「リプレイスによる契約」の方が圧倒的に多い!なんて会社もありました。

 当たり前の話ですが・・・リプレイスを競争する管理会社は管理委託費をギリギリまで切り詰めて見積提案してきます。(私が行った事例では、現行契約より30%以上安価になったマンションもありました)
 そうなると・・・当然に会社の利益率は下がります。

マンション担当数が多い管理会社の場合(その2)

 「リプレイス」による新規受注を重ねてきた管理会社では・・・利益率が下がることで、フロント担当者一人当たりのマンション担当数「平均15くらい」では無理~!となるのは、自明の理です。

 下手すれば・・・30マンション位は担当してもらわないと算盤勘定(そろばんかんじょう)が合わない!といった管理会社もあると思います。
 でもまあ・・・ノルマの構成比の中で工事売上が半分くらいあったとすると・・・「平均担当数15くらい」ということになるのかな?

まとめ

 総論的に「平均担当マンション数15くらい」で話を進めるのは、まあいいかな?と思い込むことにします。(笑)
 いずれにしても・・・フロント担当者は激務で仕事をこなすのが大変そうだなあ、と思います。
 次回は、そんなフロント担当者とどう付き合うべきか?私の考えを話してみたいと思います。  (つづく)

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