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文藝春秋5月特別号~私の人生を決めた本~

 今月号の特集が面白かったです。「私の人生を決めた本」で、読書家81人による史上最強のブックガイドとなっています。各々が、自分の人生と照らし合わせて読書体験を語ってくれています。特別対談として、林真理子×藤原正彦「運命の一冊に出会うために」、小川哲×松浦寿輝「読むこと、書くこと」の2本があり、若手クリエイターの「人生を変えた本」として三浦崇宏がユーチューブで催した「木曜日は本曜日」からの報告でした。

 81人の中で、3人の女性の方の人生を決めた本の中から数冊と感想を。

☆山根基世(フリーアナウンサー)・・・「シジフォスの神話」(カミュ作)大学の時に読んで感動したそうですが、女性雑誌の取材で「影響を受けた一冊」について語るとき、「もっと若い女の子らしい本を」と言われ、悔しく憤慨した思い出も。「荒野に叫ぶ声」(雫石とみ作)は、「銀の雫文芸賞」の成り立ちがわかり、先人の働く女性の努力を知りました。
 わたしの本棚61夜の「シーシユポスの神話」は表記違いますが、同じ作品です。

☆宮崎美子(俳優)・・・「人間喜劇」(ウイリアム・サロイヤン)幾度も読み返しているそうで、「戦争というのはさびしさから起こる」という一節が心に残るそうです。凄いのは、「水滸伝」19巻を読破されてること。最近の本では「首ざむらい、世にも奇妙な江戸物語」(由原かのん作)が面白かったそうで、時代小説の楽しみは「想像」と。なるほどなあ、と。

☆中野信子(脳科学者)・・・「九十三年」(ユゴー作)何事にも裏表があり、一面的な見方で人を判断することは戒めるべきだと、この本で学生のころに学んだそうです。「小説十八史略」(陳瞬臣作)スケールが大きすぎると思いましたが、目先の損得を重視する傾向が強まる現代において、何かあったとき、心の中で彼らと対話できる安心感がある。知識とは光をさしてくれるものだ、と思っているそうです。

 皆さん、結構、長編や難しい本を読まれていました。本を読んでなくても、あらすじと感銘を受けたところ、読んだときの状況が書かれているので、それはそれで面白く読みました。三浦氏の報告「木曜日は本曜日」の20人の著名人の選書になると、絵本あり、現代小説あり、で読んだことある本があり、共感しやすかったです。
 わたし自身、亡くなった母から、いろんな本を読みなさい、読んで合わなかったら途中でやめたらいいよ、最後まで読む必要なしと小さいころに教えられたので、本を読むことは気軽です。そして、自分の読まないような世界の本を知ったり、本の存在を知ったりできるブックガイドを読むこともスキです。著名人の体験に感心しながら楽しく読みました。

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