マガジンのカバー画像

39
運営しているクリエイター

#現代詩歌

【詩】Short-Forest

【詩】Short-Forest



Short-Forest

短い森を消去法で選択してボタンのないコントローラー持たされて
パンクしたコーラの泡をぶちまけて生えてくる花を摘んで
電線にシャボン玉ぶつけていく

足跡がないから歩けない
でも、やっぱり湯気はあたたかそうだからコントローラーは手に馴染みきってふやけ始めたぐらいだけど
それぐらいわたしの手として手だから

蹴りたい石が蹴りやすいかどうかなんて知らない

手放しでスキッ

もっとみる
【詩】ぽすと・とうきょう

【詩】ぽすと・とうきょう



ぽすと・とうきょう
              /とわさき芽ぐみ

ざらりとした声色の
夕立が街々の大きくうねるストローの中を
駆け巡って
脆いエンターキーを
腐ったエンターキーを
ことごとく叩き割ってゆく

ひらがなでできたはやくちことば
とうきょうとっきょきょかきょく
となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ

とうきょうは孵化していたのだ
いつのまに

ざらりとした木漏れ日のなかで
小さくう

もっとみる

ツインテール無双、非対称

君が老けてくなあ、と思って

ひたすらタイピングの音を聞いている

こむずかしい背中を殴りたくなるけど

カフェオレを飲んでるからやめておく

そういえばわたしは紐靴が履けなかった

ベリベリとテープでくっつけては

走ったつもりでいたなあ

ポニーテールは似合わなくて

ツインテールでこばかになった

こっぱずかしい記憶を殴った

こっぱみじんになった右脳

のうのうと生きては休み

休んでは息

もっとみる

ことばなんて

ことばなんて

頼りないよな

無意識と 意識の狭間で

うめいたり わめいたりしながら

それでも伝わることを願ってる

コード信号、受信機の不具合

あるいは

経験値の
向かう方向が
違ったりして

それでも

ことばに置き換えざるを得ない

俺たちの

情けなさを

笑っていろよ お前たちは

/とわさき芽ぐみ 2018.5.27

正真正銘こころからばか

わたしのなかでせかいがとけるころ

あなたはひととてをぬくもらせて

どうぶつえんのかばのはなしなんかしてる

海馬、って、かばのことらしい

あなたはまんぞくげだ

わたしのべっどのわきでは

けたたましくとけいがなりひびき

正真正銘こころからばか
正真正銘こころからばか
正真正銘こころからばか

って おしえてくれるんだ

正真正銘こころからばか

知ってたよそんなこと

こころからばか

もっとみる