マガジンのカバー画像

編集ライター養成講座

3
宣伝会議46期を受講し、その際に書いた文章たちです。
運営しているクリエイター

記事一覧

「生きている間は福島に住み続けて廃炉を進めていく」 ――福島原発5号機ツアーを続ける経産省職員の決意と覚悟

「生きている間は福島に住み続けて廃炉を進めていく」 ――福島原発5号機ツアーを続ける経産省職員の決意と覚悟

福島第一原発内にある巨大なタンクの数々。その数は1000基を超える。タンクの中身は処理水。浄化処理された汚染水が処理水である。政府は2021年4月に、この処理水の海洋放出を決定している。処理水の放出予定時期は今夏だ。

今回お話を伺ったのは、経産省職員の木野正登さん(54)。彼は2011年3月20日に東京から福島へ 異動となり、今日まで、処理水を含む福島第一原発の廃炉を担当している。廃炉への理解を

もっとみる
福島原発5号機ツアーを続ける経産省職員の決意と覚悟

福島原発5号機ツアーを続ける経産省職員の決意と覚悟

 ふっと笑って木野さんがゆっくりと話し出す。私は見えないように小さくガッツポーズをして、インタビューを始めた。

「ものすごく長いのですが、経済産業省、資源エネルギー庁。えー、事故収束対応室の廃炉汚染水処理水対策官という役職です。」

 木野さんはあまり笑わない。原発事故が起きて福島へ出向し、それから12年間、住民や漁業関係者、東京電力社員といった多くの人と廃炉について話してきた。ときには罵声を浴

もっとみる
私の好きな場所「えんちゃん農場」

私の好きな場所「えんちゃん農場」

「レタスは4種類、春キャベツはぜひ生で。カーボロネロは結球しないキャベツで菜花は苦みがあっておいしい。カブは間引きだから小さいけどテキトーに取って齧ってみな。スイスチャードは3色あるけど茹ですぎると色落ちするからね。」
と長岡さんは畑に来た人へ丁寧に説明し、収穫のサポートをする。

 4月は端境期と言われ、一般的には畑で収穫できる農作物が少ない時期だ。周りの畑を見ても夏に向けた作付け準備のためか、

もっとみる