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「いい仕事」は人間をだめにする


わたしは、終戦後に体一つで生き抜いた女性の物語が好きである。長く『こんな女に誰がした』のストーリーと信じてきたあらすじを検索しても、その内容が正確に出ない。わたしの知っている話はだいたいこうである。

戦後すぐ、若い女性が家もお金もなく都会に座っていた。ある晩に知らない男が握り飯をくれた。次の夜も。そしてその翌晩、男が「いい仕事がある」と言うので付いていくと、そこは妓楼だった。

空腹のおそろしさを知っている身としては、死にたい気持ちになる。

ありがたいことです。目に留めてくださった あなたの心にも喜びを。