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焦ることがなぜいけないのか?【焦るとゆっくりうごいてしまう】

こんにちは。


最近コロナの自粛明けと、桜の満開が重なったせいか、来店されるお客様も一気に増えて、いきなり忙しくなることが多いと感じます。そんな時にまあみんなでやいのやいの焦るわけですが、自分はもう13年勤めていることもあり、(たかが13年ですが)焦るという感覚があまりわきません。

そして最近は「忙しいという状況は起こりえるが、個々が忙しいという状態に陥っているわけではない」なんて思ったりもします。

人によってはこの焦らない状態を緊張感がないと判断するみたいですが、焦ることにメリットを感じない以上、焦る意味はないわけで…

しかし具体的に何を根拠に焦る意味がないのかと聞かれると、焦っても意味がないし動きが速くなるわけでもなく、といった随分と抽象的なことしか言えなかったので、ちょっとまとめてみることにしました。



なぜ焦ることに意味がないのか?


なぜ焦ることに意味がないかというと

「焦れば焦るほど人はゆっくり動いてしまうからです」

焦ってスピーディーに動いているようで、実は焦っている人って余計な思考をしたり余計な動きをしたり、判断を間違えて人を変に動かしたり、混乱してわけがわからなくなってしまったりします。

混乱すると脳内は考えているようで考えていない状況に陥ります。考えていない上に考回路はショートしてしまっているため、行動に結びつくための思考に障害が起きてしまい、おのずと動きも遅くなります。忙しさは増しているのに、いつもよりゆっくり動いてしまうという状態が出来上がってしまうのです。

さらに焦るとミスにつながるし、クレームになるとそこで人を一人取られてさらに追い込まれるという大変な事態に陥ります。まさに袋小路。



焦るとは何か?


焦るとは何か?私は自分のキャパを超える状況に対して感情面でネガティブな反応をしてしまっている状態だと考えます。

人の思考のプロセスは感情をもとに思考を行い、思考をもとに行動を起こすといったものです。感情で反応した時点で「やばい!」と思ってしまうとそれをもとに思考を行うわけですが、この「やばい!」という抽象的な印象は実際具体性はなく何がどう「やばい!」のかが全くわからず、それゆえに解決策も立てることができません。

実際この「やばい!」は何のための思考なのかもわからず、事態を改善する効果もなく、立派な思考停止ワードなのです。焦らない人はこの「やばい!」が具体化されています。具体的になれば解決策をたてることができ、その瞬間の解決が無理だったとしてもちゃんと内省すれば次回以降に改善することは可能です。

できない人の場合、みんなで焦ってうまく回すことができない状況を作ってしまった後に、「忙しかったね〜」や「なんかシフト最悪じゃね?」みたいな愚痴寄りの感想しか出てきません。やばいというネガティブな感情をピーク中にただただ増幅させたことで結果的に物事のマイナスな面しか捉えることができなくなります。(飲食店において場が混乱してスムーズに業務を行うことができない状況を回すことができないと言ったりします)

逆に具体的に何が問題かを理解していれば、その問題を解決することで成長していくことができます。忙しい状況というものは実は非常にありがたい状況なのです。売り上げも立ちますし…



焦りは考えることを阻み、動きを遅くする


そしてなぜ焦りが考えることを阻み動きを遅くするのか?

先ほど状況を感情で受け止めているとありますが、物事を具体的に捉えることができないため、もしくは抽象を具体に落とし込めないため、解決策を考えることができなくなります。

また、ワーキングメモリが余計な感情(不安や戸惑い)に支配されてしまい、パンクしたりして物事を考えるスペースが足りなくなってしまいます。余計な感情に支配されることで、バイアスに囚われやすくなってしまい、ベストな判断もできません。選択を間違えたり迷いまくることでベストなスピードが維持できなくなるわけです。

*ワーキングメモリとは、脳の短期記憶力を指すもので、このスペースを使って人は思考を行います。



焦りは周囲に伝染する


そして極め付けはこちら。焦りなどの負の感情は周囲に伝染します。一人が焦りだすと焦っていな方人まで焦りだすことになります。

これは情動感染と呼ばれる反応で、脳内のミラーニューロンの働きによる作用です。人の感情はプラスマイナス関係なく周囲に伝染するというものです。赤ちゃんを見ているとわかりやすいのですが、赤ちゃんが泣き出すと周囲の赤ちゃんも連鎖的に泣き出してしまうあれです。他には結婚式に参列した時になんだか幸せな気持ちになったり、子供が笑っていると、こちらまで優しい気持ちになれることなどが挙げられます。

情動感染では特に負の感情の方が伝染しやすく、焦りという負の感情は非常に伝染しやすいと言えます。

特にお祭りかよというくらい豪快に焦る人がたまにいますが、それだけ焦り方がパワフルだと、チーム全体を一気に焦らせることにもなりかねません。



焦らない=のんびり動くではない


最後に補足で伝えておきたいのが、焦らない=のんびり動くではないということです。焦らないことの目的は自分が常にベストなスピードで動ける環境を作るためです。のんびり動いてスピードが伴わなければ、よりたちが悪いです。

あくまで生産性を上げることを念頭に置き、そのためにどう考え動くことがベストなのかを理解しなければなりません。焦らずに物事を俯瞰して見て、選択を間違えないことが常に最短距離を進むことにつながります。物理的にスピードを上げるよりも効率化を図る方がはるかにスピードは上がります。

しかし、どんなに焦らないようにしていても、大きな失敗が目前に迫ってきては焦らざるを得ません。責任を追っていればなおさら焦ってしまいます。やはり準備段階において物事がスムーズに進むように動いておかなければなりません。先を予測して自分がベストな状態でいられる環境を常に作り続けるように心がけましょう。

また、ピークが来た時にヒーローのように困難に打ち勝つことを良しとしている方も多いかもしれませんが、ピークを作ってしまった時点で二流です。ピークを作らず何事もなかったかのような状況を作ることができるように準備を行っていきましょう。



それでは、今回はこのへんで〜!



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