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2019年8月の記事一覧
学校図書館、ありがとう、また
小学生の頃まで場面緘黙症があって、家族以外の誰とも口がきけなかった。話そうとすると喉がキュッと締めつけられて、ともだちの視線が恐怖になる。名前を呼ばれても返事ができなくて、音読の順番が回ってきても立っているのがやっとで、だんだん視界が涙で霞んで、そんな私とそれでも周りの子たちは対等に接してくれた。でもやっぱり学校は怖かった。
学校図書館は好きだった。声を出してはいけないから。無言でいることが当た
ある感情の組み合わせ
気のおけない人たちと好きな話で盛り上がって、これ以上ないくらい楽しくて、ああずっとこんな幸せが続けばいいなと思うとき、同時にどうしようもない寂しさと孤独感が足元にひんやり流れていることがある。
人に囲まれているときほど孤独なのはなぜだろう。幸せなときほど寂しいと思うのは。
笑えば笑うほどこの感情は本当に自分のものなのかと考えてしまうし、楽しければ楽しいほど本当に自分はこれが好きなのかと疑ってし
100年前の詩・きのう・きょう
萩原朔太郎の詩に「利根川のほとり」という一篇があります。14歳の8月20日はこんな気分でした。
きのふまた身を投げんと思ひて
利根川のほとりをさまよひしが
水の流れはやくして
わがなげきせきとむるすべもなければ
おめおめと生きながらへて
今日もまた河原に來り石投げてあそびくらしつ。
きのふけふ
ある甲斐もなきわが身をばかくばかりいとしと思ふうれしさ
たれかは殺すとするものぞ
抱きしめて抱きしめて
主役ではない、夕暮れの東の空に思うこと
晴れた日の夕暮れ、東の空は、あかく燃える夕陽を受けて薄紅色に染まっていく。それが群青色に触れあう様子を眺めるのが好きです。
夕暮れに東の空をよく見ますか。
夕陽が沈んでいく西の空は激しく輝いて、その一瞬それは全天の主役といった感じ。私はそのうしろで暮れていく東の空が大好きです。
静かな色たち、それがだんだんと色調を落としていく。その様子を眺めるとき、目の前に広がる色と風と宙がこの組み合わせで