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夜を待つこころ
夜がだんだん朝陽で薄められて空が白んでいくのを眺めるとき、消えてなくなりたい気持ちになる。朝焼けが綺麗なときほどそう思う。
何度かあった眠れない夜がそうさせるのだと思う。悲しい気持ちのままでは、あの早朝の空の美しい変化を受けとめきれないのだ。光で満ちていく世界は、それだけで貧しいこころを傷つける。
私が暮らす小さな町にも、もしかしたらそんな人がいるかもしれない。朝焼けの空を眺めながら、澄んだ空気に鼻先を触れあわせて、消えてなくなりたいと思うこころ。その一つひとつに、安らぎの夜が訪れてほしい。どんなに明るく輝く世界にもいずれ夜はやってきて、嘆くこころをそっと癒してくれる。
朝焼けを受けとめるには擦り傷が多すぎて、でもそんなこころを愛おしいと思う人たちへ、よい夜が訪れますよう。
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