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おかしな「誰かと一緒にいて気まずい時の言動」 ~アニメ「げんしけん」の場合 #3

斑目「テッ、テレビ点けていいかな?」

アニメ「げんしけん」(第9話)


◆概要

【おかしな「誰かと一緒にいて気まずい時の言動」】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「げんしけん」(第9話)

▶1

本作の主要キャラの1人・斑目(男子大学生)。

彼は、

・特徴1:とある大学のサークル「現代視覚文化研究会(げんしけん)」の会長である。「げんしけん」はオタクの巣窟であり、もちろん斑目自身もアニメやゲームを愛するバリバリのオタクだ

・特徴2:気心の知れた相手以外とのコミュニケーションが不得手である。特に女性とのコミュニケーションには強烈な苦手意識を持っている。


▶2

ある日のこと。

斑目がいつものように部室のドアを開くと、中にいたのは春日部1人。彼女はマンガを読んでいた。

斑目は思わずビクッ、体を震わせた。


というのも春日部は、

・特徴1:美人でオシャレ、そして気の強い女子大生(斑目の1つ後輩)だ。オタクとは無縁の存在であり、というかむしろオタクを嫌っている。まぁ要するに、斑目が最も不得手とするタイプの女性なのだ。

・特徴2:オタクではないもののとある事情からちょくちょく部室に顔を出しており、斑目とは顔見知りである。だが……じつは斑目と春日部が2人きりになるのはこれが初めてのことだった


春日部は、斑目の存在を無視してマンガを読み続ける。

一方の斑目。彼は気まずい。超気まずい。静寂が息苦しい。うっ。どうしよう。何か話しかけるべきか?でも何を?気まずいぞ。あまりにも気まずい!


・Step1:気まずさに耐えかねた斑目。彼は訊いた「テッ、テレビ点けていいかな?」。すると春日部は「んぁ」。名状しがたい声を出した。返事をするのが面倒くさくてたまらない、勝手にしろといった感じだ。

・Step2:斑目は妙に明るい声で「サンキュー」。直後、心の中でツッコんだ「ってなんで感謝してる、俺」。

・Step3斑目は、録画してあったアニメ「くじアン」を見始めた。一方、春日部は相変わらず黙ってマンガを読んでいる。

・Step4:アニメの音、すなわち萌え萌えなキャラの声や、陽気なBGMが部室に響く。……せっかくテレビという逃げ道を見つけたものの、うっ。やはり気まずい。というか、むしろ一段と気まずくなった気がする!

・Step5:かくして斑目はわざとらしく独りごちした「いやぁ、『くじアン』でも屈指の問題作だよなぁ、これ!俺はいくらギャグでも下ネタに走るのはあんまり好きじゃないけど、熱狂的評価も得た1本でぇ……」。斑目は口をつむぐ。春日部の反応を待つ。様子をうかがう。しかし……当然と言えば当然のことではあるが、春日部は無言だ。斑目の言葉には一切反応しない。

・Step6班目はすぐまたペラペラとしゃべり始めた「問題なのはこれまでぎりぎり踏みとどまっていたのに、この話数をきっかけに大きく原作からかけ離れていったことかぁ!」。再び沈黙。春日部はやっぱり無反応である。

・Step7班目は三度口を開いた「その……なんて言うかぁ……」。しかし、今度はすぐに口をつぐんでしまった。気まずさに嫌な汗がにじむ。

・Step8:班目が訊いた「テレビ、けっ、消そうか?」

・Step9:しかし春日部は無視。

・Step10班目は気まずさのあまりテレビを消した。部室に静寂が戻ってきた。嗚呼、気まずい!!


▶3

気まずさに耐えかねてテレビを点けた斑目。ようやく逃げ道を見つけたと思いきや……

・Point1:萌え萌えなキャラの声や、陽気なBGMが部室に響く →何だか余計に気まずくなった気がする!

・Point2:気まずさのあまり、斑目はペラペラとアニメの感想を語り始めた。しかし春日部に完全に無視される →さらに気まずい!

・Point3:あまりの気まずさに「テレビを消そうか?」と訊いた斑目。だがやはり無視される →気まずさの限界突破!!


「やっと逃げ道を見つけたと思ったのに……全部裏目に出た!(笑)」「斑目がかわいそうだよ!(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。


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