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おかしな「喜び・歓喜」 ~マンガ「甘えさせて雛森さん!」の場合

いちご「うわぁ……」

マンガ「甘えさせて雛森さん!」(第1巻)


◆概要

【おかしな「喜び・歓喜」】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。


◆事例研究

◇事例:マンガ「甘えさせて雛森さん!」(第1巻)

▶1

本作の主要キャラの1人・やや(女子高生)。

彼女は、

・特徴1:容姿端麗にして頭脳明晰、運動神経だって優れているという完璧超人である。まさに学園のヒロイン。皆の憧れの的だ。

・特徴2:しかし……じつは泣き虫で、しかも甘えん坊だった(!)。皆の期待に応えるべく普段は強がっているものの、本当は「誰かに子どものように甘やかしてもらいたい❤」という強い願望を抱いていた


そんな中ひょんなことから、

・Step1:ややはいちごと出会った。いちごは1つ後輩ながらも妙に包容力がある少女。ややの本性も知っている。というわけで、ややはいちごに付きまとい、「褒めて❤」「『いい子、いい子』って頭を撫でて❤」と甘えるようになった。

・Step2:いちごは仰天した。困惑した。動揺した。どうして私が!?……しかし何だかんだ言いながらもややに好意を抱くいちごは、まるで子どものようにややを甘やかしてやるのだった。


ある日、

・Step3:いつものようにややが駄々をこね始めた。曰く「下の名前で呼んでほしい!」。

・Step4:いちごは照れながらも「やや先輩」と呼んでやった。

・Step5:すると、ややは喜んだ。大喜びである。目尻が下がる。頬が赤くなる。えびす顔になる。顔の筋肉が弛緩する。口元がだらっと緩み、ツーっとよだれが垂れてきた。おまけに鼻血も垂れてきた。

・Step6:あまりにも緩みきったその表情に、いちごは思わず声を漏らした「うわぁ……」

・Step7:その後、いちごはややの鼻血をぬぐい、そして丸めたティッシュペーパーを鼻の穴に詰めてやった。


▶2

普段のややはキリっと引き締まった顔つきをしている。さすがは学園のヒロインである。……ところが、大好きないちごに下の名前で呼ばれた途端に、嗚呼、あまりにもだらしない顔!

「普段の顔とのギャップがすごい(笑)」「よだれが垂れるわ、鼻血が垂れるわ……いくら『表情が緩む』と言っても、ものには限度ってものがあるんだぞ!(笑)」と思わず噴き出してしまった読者は少なくないだろう。


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