連続する2つのシーンの間に「大きな解離・落差・矛盾」がある ~アニメ「邪神ちゃんドロップキック」の場合
◆概要
【連続する2つのシーンの間に「大きな解離・落差・矛盾」がある】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「邪神ちゃんドロップキック」(第8話)
▶1
本作の主人公は邪神ちゃん。
彼女は悪魔だが……いまは、ゆえあって人間界に滞在中。料理などの家事をする代わりに、ゆりね(人間、女子大生)の住むアパートに居候させてもらっている。
ある日のこと。
・Step1:夕飯の買い物に出かけた邪神ちゃん。ところがその途中、彼女はふらふらっとパチンコ屋に入ってしまった。そう、邪神ちゃんはパチンコ及びスロットが趣味、というかジャンキーなのだ。
・Step2:しばらく後、邪神ちゃんがパチンコ屋から出てきた。彼女は嘆く「また負けましたの……。打たなきゃよかった~!なぜ打っちゃったんだろう!」。
・Step3:と、そこに友人のメデューサが通りかかった。
・Step4:邪神ちゃんの顔色が変わる。彼女はメデューサに手を合わせ、そして病的な笑みを浮かべながら「頼む!2万円貸してくれ!倍にして返しますの!!」。
・Step5:直後、舞台はゆりねと邪神ちゃんが同居する部屋に移る。そして……ゆりねが叫んだ「こぉんの、バカタレー!!」。ゆりねのアッパーカットが炸裂。邪神ちゃんが吹き飛ぶ。
・Step6:ゆりねは怒りを爆発させる「何が倍にして返すよ!倍どころかすっからかんじゃない!」。ゆりねはモーニングスターをぐるんぐるん回しながら「夕飯のお金まで使い込むなんて……殺すしかないわね」。そのあまりの迫力に邪神ちゃんが怯える「ヒーッ!!」。
▶2
ご注目いただきたいのは、Step4と5の解離である。
「頼む!2万円貸してくれ!倍にして返しますの!!」と、嗚呼まさに人間のクズ、どうしようもないジャンキーっぷりを披露したかと思いきや、次のシーンではもうゆりねに制裁を受けている……!!
「まぁどうせ負けてすっからかんになるのだろうとは思っていたけれど……展開が早い!(笑)」「勢いがすごい(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないはずだ。
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