見出し画像

「『これはサメ映画。当然ながら、サメが登場人物たちを食い殺すのだろう』と思って見ていると……まさかのワニ登場!ワニが人々に襲いかかった→しかし直後にサメが出現して、登場人物とワニをまとめて食い殺した」という展開で読者・鑑賞者を驚かせ、興味を引きつける ~映画「シャークネード カテゴリー2」の場合

作業員A「いまのは!?」
作業員B「何が?」
作業員A「いま、足元を何かが通った!」

映画「シャークネード カテゴリー2」




◆概要

【「『これはサメ映画。当然ながら、サメが登場人物たちを食い殺すのだろう』と思って見ていると……まさかのワニ登場!ワニが人々に襲いかかった→しかし直後にサメが出現して、登場人物とワニをまとめて食い殺した」という展開で読者・鑑賞者を驚かせ、興味を引きつける】は「読者・鑑賞者の心を掴んで離さない語り口」のアイデア。


◆事例研究

◇事例:映画「シャークネード カテゴリー2」

▶1

本作に登場するのは、「シャークネード」というサメ災害

ざっくりまとめると、「ニューヨークのあちらこちらに人食いザメが出現→多くの人がぶっ殺されまくる」という話である。


物語中盤、

・Step1地下鉄で水漏れが発生した。

・Step2:作業員たちは「やれやれ、面倒くせぇなぁ」と肩をすくめた。とはいえ、放っておくことはできぬ。かくして作業員2人が元栓を閉めるべく地下道に入っていった


地下道を進む2人。

・Step3足元は水浸しだ。――というわけで多くの鑑賞者は、「おっ!間もなくサメが出てきてこの2人を食っちまう展開だな!」とピンと来たに違いない。

・Step4:やがて、2人の足元を何かが通り抜けていった。作業員Aはびくっと体を震わせる「いまのは何だ!?」。

・Step5:しかし作業員Bは気がつかなかったようで、「おいおい、怖いのかよ?」「きっとワニだろうさ」などと言って作業員Aをからかった。――多くの鑑賞者は「ワニじゃないよ!サメだよ!(笑)」と心の中でツッコんだことだろう。


ところが、次の瞬間である。

・Step6:水の中からワニが顔を出した。そして、ガブリ!作業員Bを丸呑みしてしまった。――「ワニかよ!サメじゃないのかよ!(笑)」と仰天した鑑賞者は少なくないだろう。


なっ、何てこった!!

・Step7:作業員Aは慌てて逃げ出す。だがワニは速い。ぐんぐん近づいてくる。

・Step8:あー、もう駄目だ!!……と思ったその時だった。背後から猛スピードでサメがやってきて、作業員Aとワニをまとめて丸かじり!――多くの鑑賞者は「やっぱりサメなのかよ!(笑)」と笑ってしまったに違いない。


▶2

ご注目いただきたいのは、Step6と8である。

・Step6では:「これはサメ映画だぞ?登場するのはワニではなくて、サメだろ!」と思いきや……ワニ!

・Step8では:「ほぉ、ワニか!」と思いきや……やっぱりサメ!


予想を裏切りまくるこの展開が最高だ。

この先何が起こるかわからない。ゆえに、私たち鑑賞者の目はもう画面に釘づけだ……!


つまり、【「『これはサメ映画。当然ながら、サメが登場人物たちを食い殺すのだろう』と思って見ていると……まさかのワニ登場!ワニが人々に襲いかかった→しかし直後にサメが出現して、登場人物とワニをまとめて食い殺した」という展開で読者・鑑賞者を驚かせ、興味を引きつける】というテクニックが使われているわけだ。


◆他のアイデアも見る👀

この記事が参加している募集

最後までご覧いただきありがとうございます! 頂戴したサポートはすべてコンテンツ制作に使います!