おかしな「喜び・歓喜」 ~マンガ「邪神ちゃんドロップキック」の場合 #3
◆概要
【おかしな「喜び・歓喜」】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:マンガ「邪神ちゃんドロップキック」(第9巻)
▶1
本作の主人公は邪神ちゃん。
彼女は悪魔である。
・Step1:邪神ちゃんはいまは人間界に滞在している。本当は魔界に帰りたいのだが、事情があってそうもいかぬのだ。
・Step2:ところがある日ひょんなことから、魔界に戻れることになった邪神ちゃん。彼女は喜ぶ。すぐに友人たちに報告した。
・Step3:話を聞いたメデューサが微笑んだ「良かったね、邪神ちゃん!」。
ところが、
・Step4:邪神ちゃんはメデューサを罵った「うるせぇ」。
・Step5:メデューサは訳がわからない。えっ?私、なんで怒られてるの……!?
・Step6:邪神ちゃんは言った「喜びが足りねーですの。この日をどんなに待ちわびたか……」。そして叫んだ「ちったぁ私の気持ちになって考えろ。このド低能が!」。
・Step7:なんとまぁ身勝手な理屈である!しかし、メデューサは底抜けの善人だ。ゆえに彼女は「ごめん……」と謝罪。さらに精一杯の笑顔で「おめでとうございます、邪神ちゃん!」。
・Step8:メデューサの言葉を受け、邪神ちゃんは鷹揚にうなづいた「それでいい」。
・Step9:2人のやりとりを見ていたペルセポネ2世が呆れる「メデューサちゃん、邪神ちゃんの友達やめたほうがいいんじゃないの」。
▶2
念願叶って魔界に帰れることになった邪神ちゃん。メデューサは微笑んだ「良かったね!」。ところが邪神ちゃんは叫んだ「うるせぇ」「喜びが足りねーですの。この日をどんなに待ちわびたか……」「ちったぁ私の気持ちになって考えろ。このド低能が!」。
「一緒になって喜んでくれている友達に向かって……身勝手すぎるだろ!(笑)」「タチが悪いよ(笑)」「ほんと、メデューサは邪神ちゃんの友達をやめた方がいいよ(笑)」と思わず噴き出してしまった読者は少なくないだろう。