相手の言葉の「含意・ニュアンス」を無視して回答する ~映画「アベンジャーズ」の場合
◆概要
【相手の言葉の「含意・ニュアンス」を無視して回答する】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「アベンジャーズ」
▶1
本作の主人公の1人・トニー(男性、40歳頃)。
彼はスーパーヒーロー「アイアンマン」の中の人である。また天才的な発明家でもあり、科学や機械には滅法強い。
一方、スティーブ(男性、20代頃)。
彼はスーパーヒーロー「キャプテン・アメリカ」の中の人である。元々は20世紀初頭の人物だが、ゆえあって当時の若さを保ったまま現代によみがえってきた。
なお、よみがえったばかりなので現代的な知識は持ち合わせていない。
▶2
物語中盤、トニーやスティーブは飛行空母(戦闘機などを搭載した巨大な「空飛ぶ空母」)に乗っていた。
ところがやがて、
・Step1:敵の攻撃を受け、飛行空母はひどいダメージを負ってしまった。
・Step2:被害状況を確認すべく飛び出していったトニーとスティーブ。
・Step3:トニーの指示を受け、スティーブは制御盤をのぞき込む。……が、たくさんの基盤やらケーブルやらが剥き出しになっており、何が何やらわからない!
・Step4:というわけで、「どんな感じだ?」とトニーに訊かれたスティーブ。彼はこう答えた「電気で動いているようだな」(It seems to run on some form of electricity.)。
・Step5:トニーは憮然として「まっ、その通りだ」(Well, you're not wrong.)。
▶3
トニーから「どんな感じだ?」と質問されたスティーブ。
彼はバカではない。空気が読めない人でもない。したがって、トニーの言葉に「どこが故障しているかわかったか?」「問題なく作動しているか?」といったニュアンスが込められていることは当然理解できただろう。
しかし……スティーブはトニーのように機械に詳しいわけではない。ましてや100年ほど前の人物である。制御盤をちょっと見たくらいで状況を把握できるわけがないのだ!彼はチンプンカンプンである。
かといって「わからない」と素直に答えるのは癪に障る。
かくしてスティーブは、トニーの言葉のニュアンスを敢えて無視して「電気で動いているようだな」と答えたのだった。
「うん。まぁそりゃ機械だからね、電気で動いているだろうね(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。
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