異世界でサバイヴするには、「異世界に由来する訳のわからぬ力」を使いこなす必要がある。元の世界のやり方だけで乗り切るのは難しい
◆概要
【異世界でサバイヴするには、「異世界に由来する訳のわからぬ力」を使いこなす必要がある。元の世界のやり方だけで乗り切るのは難しい】は「戦闘」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「裏世界ピクニック」
▶1
本作の舞台は「裏世界」。私たちには到底理解し得ぬ魑魅魍魎がはびこる異世界だ。
空魚(大学2年生の女性、主人公)は、パートナーの鳥子(空魚と同い年の女性)と共にそんな世界を探索している。
▶2
ところで、「郷に入っては郷に従え」という言葉があるがまさにその通り、裏世界でサバイヴするには裏世界の力を使いこなす必要があるようだ。
・空魚の場合:化け物の精神攻撃を受けた副産物として、彼女は特別な「目」を手に入れた。それは化け物の本性を見抜いたり、元の世界と裏世界とをつなぐゲートを見つけたりできる目だ。
・鳥子の場合:化け物に襲われた空魚を救う中で、彼女は特別な「手」を獲得した。それは裏世界のあれこれを掴み、破り、切り裂くことができる手だ。
2人はこの「裏世界に由来する訳のわからぬ力」を使いこなすことで、裏世界を探索し、時には化け物をぶちのめしていく。
▶3
さて。
そんな空魚たちと対照的なのが、米軍部隊である。
すなわち第5、11、12話には、裏世界に迷い込んでしまった米軍部隊(在日米軍海兵隊の中隊らしい)が登場するのだが、彼らは裏世界においても元の世界のやり方を貫こうとするのだ。
例えば、
・上官の命令に従い、集団で行動する
・テントを設営し、当座の拠点を作る
・星条旗を掲げる
・発電機を使って電気をおこし、パソコンを使う(画面にはExcel風の表計算ソフトが映っている)
・定期的に辺りを哨戒する
・どうにかして化け物と戦おうとして、装甲車などを改造する
「えー!裏世界でExcelかよ(笑)」「いくら装甲車を改造しても化け物には勝ち得ないのでは?」とツッコみたくなるシーンだが……しかし、よくよく考えてみれば彼らの行動には納得がいく。
何しろ、軍隊とは規律や理性に基づく組織なのだ(これはいいとか悪いとかそういう次元の話ではない。軍隊とはそういうものなのだ。軍隊が規律や理性を放棄してしまったら、それはもうただの暴力集団である)。
ゆえに、彼らは規律や理性に従い、あくまでも元の世界のやり方で乗り切ろうとする。間違っても、「裏世界の訳のわからぬ力 」を使いこなそうなどとは考えない(「裏世界に由来する訳のわからぬ力」は、言わば理性の真逆にあるものだ。軍隊とは最も相性の悪い力と言えるだろう)。
▶4
つまり本作には、
・空魚、鳥子:「裏世界に由来する訳のわからぬ力」を使う
・米軍の軍人たち:元の世界のやり方で乗り切ろうとする
という対照的なキャラが登場するわけだが……そこは裏世界。元の世界のやり方だけでどうにかなる場所ではない。
かくして軍人たちは疲弊し、多くの犠牲者を出し、窮地に立たされている。
彼らは最終的に元の世界に帰還するのだが、それは空魚たちが「裏世界に由来する訳のわからぬ力」で助太刀したからだ。軍人たちだけではどうにもならなかっただろう。
そう、異世界でサバイヴするには「異世界に由来する訳のわからぬ力」を使いこなす必要があるのだ。
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