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おかしな「喜び・歓喜」 ~マンガ「私に天使が舞い降りた!」の場合

みやこ「興奮する!!」

マンガ「私に天使が舞い降りた!」(第1巻)


◆概要

【おかしな「喜び・歓喜」】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。


◆事例研究

◇事例:マンガ「私に天使が舞い降りた!」(第1巻)

▶1

本作の主人公は、みやこ(女子大生)。

彼女は、

・特徴1:重度の人見知りであり、対人コミュニケーション能力に難がある。

・特徴2:「ひなた」という小5の妹がいる。

・特徴3:物語冒頭、ひなたが1人の友だちを家に連れてきた。彼女の名前は花。花をひと目見た瞬間、みやこは衝撃を受けた。なっ、なんてかわいいの!まるで天使だ!……この時、みやこは花に恋をしてしまった(相手は小5の少女だというのに)


▶2

いろいろあってある日、

・Step1:花が、みやこお手製のコスプレ衣裳を身につけてくれることになった。しかも写真を撮らせてくれるという。みやこは飛び上がって喜んだ。

・Step2:花はかわいい。どんな衣裳もよく似合う。みやこは慌ただしくシャッターを切った。


そして次第に、

・Step3みやこのボルテージが上がっていった「花ちゃんかわいい!」「世界一かわいい!」「マジ天使!」。

・Step4:みやこの息が荒くなる「ハァ、ハァ、ハァ」。いつの間にやら顔が真っ赤だ。瞳孔も開いているように見える。嗚呼、尋常ではない。テンションが上がりすぎて血圧が急上昇、いまにも脳卒中でぶっ倒れそうな雰囲気である。

・Step5:ひなたが驚く「大丈夫か!?」。

・Step6:するとみやこは「え?わかんないけど花ちゃんかわいいし、花ちゃんが私の作った服を着ていると思うとなんかこう……」。みやこは叫んだ「興奮する!!」。

・Step7:みやこの言葉を受け、花の目からスッと光が失われた。いくら何でも「興奮する!!」はないでしょうよ……完全に変質者じゃん……。「二度とみやこには近づくまい」と花は心に決めたのだった。


▶3

ご注目いただきたいのはStep3-6である。

大好きな人が目の前にいる!

しかも自分の作った服を着てくれている!

そして写真を撮らせてくれる!

……そりゃまぁ嬉しいのはわかるが、しかしいくらなんでもみやこのテンションは異常だ。

「こいつ、興奮しすぎて死ぬんじゃないの?(笑)」「『え?わかんないけど』って、もう半分くらい意識がぶっ飛んでいない?(笑)」「いくらなんでも女児本人に向かって『興奮する!!』はまずいだろ(笑)」と思わず噴き出してしまった読者は少なくないだろう。


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