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シーンの移行に伴って「背景」は変化するが、「キャラ」は画面の同じ位置で、同じ表情・姿勢のまま→キャラが受けたショックや感動の強さを強調する ~アニメ「ガールズ&パンツァー」の場合

みほ「あたし、この学校は戦車道がないと思ってわざわざ転校してきたんですけど……」

アニメ「ガールズ&パンツァー」(第1話)


◆概要

【シーンの移行に伴って「背景」は変化するが、「キャラ」は画面の同じ位置で、同じ表情・姿勢のまま→キャラが受けたショックや感動の強さを強調する】は「シーンとシーンのつなぎ方」に関するアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「ガールズ&パンツァー」(第1話)

▶1

本作の主人公は、西住みほ(高2の少女)。

彼女は「戦車道(戦車を使った武道)」の名家に生まれたが、いろいろあって戦車道を嫌うようになった。かくして戦車道の授業がない大洗女子学園に転校してきた。


ところが……

・Step1:ある日の昼休み。みほが教室で友人と談笑していると、ふいに生徒会役員がやってきた。そして言った「今年から戦車道が選択科目として復活することになった。ついては履修するように。よろしく❤」。みほは戸惑い、抗弁する「あたし、この学校は戦車道がないと思ってわざわざ転校してきたんですけど……」。しかしダメだ。生徒会役員は押しが強い。言いたいことだけ言うとさっさと去っていってしまった。

・Step2廊下にて、生徒会役員の背中を呆然と見送るみほ。その目は虚ろだ。全身から力が抜けているように見える。あまりのショックに何も考えられぬといった様子である。まさに放心状態。

・Step3:次の瞬間、画面が切り替わった。場所は教室。生徒たちが着席し、授業を受けている……が、みほの目は相変わらず虚ろ。教師が「次の問題、西住さん」とみほに声をかけるが、彼女は無反応である。心ここにあらず。


▶2

さて、ご注目いただきたいのは「Step2から3への移行」

じつはここ、

・シーンの移行に伴って「背景(=みほがいる場所)」は変化する

・しかし、みほは画面の同じ位置で、同じ表情・姿勢のまま

……なのだ。


「シーンを跨いでも(=時間や場所が変化しても)みほは微動だにしない」ということで、彼女が非常に強いショックを受け、呆然としているのが伝わってくる


換言すれば、「みほが強いショックを受けたこと=戦車道に対してそれだけ特別な想いを抱いていること」を強調するために、【「背景」は変化するが、「キャラ」は画面の同じ位置で、同じ表情・姿勢のまま】というテクニックが使われているわけだ。


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