キャラAが発言→ところがキャラBが次々とまぜっ返して台無しにしてしまう ~アニメ「じょしらく」の場合
◆概要
【キャラAが発言→ところがキャラBが次々とまぜっ返して台無しにしてしまう】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「じょしらく」(第3話)
▶1
本作の主要キャラは、魔梨威、木胡桃、手寅、丸京、苦来の5人。
いずれも女性落語家(年齢は10-20代と推測される)であり、それぞれの名前は芸名である。
ある日、5人が浅草寺にお参りに行った時のこと。
・Step1:雷門の大提灯を見て、魔梨威が言った「やっぱり大きいねぇ!もうここからご利益がありそうな気がするよ!」。魔梨威は提灯に向かって手を合わせる。
・Step2:ところが……苦来が言った「いまの雷門と大提灯は1960年、松下幸之助が寄進した」(「わずか半世紀前にできたものであり、そうありがたがるものではないのでは?」と言いたいのだと思われる)。
・Step3:魔梨威は何とも言えぬ顔をする「……えっ」。
・Step4:大提灯をバックに外国人が写真を撮っている。魔梨威はそれを見て微笑んだ。彼女は気を取り直す「やっぱり外人さんが多いねぇ!日本ならではの光景だからかねぇ!」。
・Step5:すると……苦来が言った「バリ島のケチャはドイツ人が発展させた」(「提灯だって日本独自のものではないでしょ?中国由来の文化だよね?」と言いたいのだと思われる)。
・Step6:魔梨威は困惑する「えー……」。
・Step7:魔梨威は再び気を取り直し、笑顔になった「それにしても、この門の赤がいいねぇ!」。
・Step8:直後……苦来が言った「カンパリソーダの赤は虫から取っていた」(「ゆえに、『赤=いい』ということはないでしょうよ」と言いたいのだと思われる)。
・Step9:魔梨威はもう我慢できぬ。彼女は苦来にツッコんだ「なんでそんな反応に困るような微妙なことばっかり言うんだい!」。
▶2
観光地にて、明るく朗らかに屈託のない感想を述べる魔梨威。
ところが、苦来がいちいち混ぜっ返していく!
要するにこれ、「キャラAが発言→ところがキャラBが次々とまぜっ返して台無しにしてしまう」というコメディシーンである。
▶3
なお、本シーンのポイントは【苦来の言葉が単純な揚げ足取りや冷やかしではない】という点だろう。
例えば、上記のStep5。
ここで苦来は「提灯は中国から伝来した文化だし、いまでも中国に行けばたくさんの提灯が見られる」なんてことは……そう、言わない。彼女はそんなストレートなことは言わないのだ。
苦来は「バリ島のケチャはドイツ人が発展させた」と言い、言外に「提灯だって日本独自のものではないでしょ?中国由来の文化だよね?」と匂わせる。まさに魔梨威の言う通り、「反応に困るような微妙なこと」ばかり言うわけだ。真綿で首を締めるような、じわじわといたぶるようないやらしさがあるといえるだろう。
これが面白い!
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