「キャラAはおしゃれに無頓着→その割には、金色の髪留めを妙に丁寧にセットしたり、その髪留めにやけに優しく触れたりする」という展開によって「この髪留めは何なのだろう?」「どんな由縁があるのだろう?」といった疑問を喚起し、読者・鑑賞者の好奇心を刺激する ~アニメ「お兄ちゃんはおしまい!」の場合
◆概要
【「キャラAはおしゃれに無頓着→その割には、愛用している金色の髪留めを妙に丁寧にセットしたり、その髪留めにやけに優しく触れたりする」という展開によって「この髪留めは何なのだろう?」「どんな由縁があるのだろう?」といった疑問を喚起し、読者・鑑賞者の好奇心を刺激する】は「読者・鑑賞者の心を掴んで離さない語り口」のアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「お兄ちゃんはおしまい!」(第3話)
▶1
本作の主要キャラの1人・みはり(17歳の少女)。
彼女は文武両道の完璧超人である。
ところがおしゃれには疎く、
・Step1:無頓着のようだ。例えば第2話、「いつも似たような格好じゃないか。たまにはおしゃれでもしたらどうだ」と兄にからかわれるシーンがある。
だが第3話冒頭、
・Step2:そのみはりが鏡を覗き込み、金色の髪留めを妙に丁寧にセットする様子が描かれる。
さらに第3話中盤、
・Step3:友人のかえでと共に買い物に出かけたみはり。2人はメガネを試したり、水着を買ったりとショッピングを楽しむ。
・Step4:途中、かえでが髪留めを手に取って言った「みはり、これなんか似合いそう!」。しかしみはりは「あっ……髪留めはいいかな」。そして自分の頭の金色の髪留めにやけに優しく触れ、何やら微笑んだ。
▶2
ご注目いただきたいのは、Step2と4である。
上述の通り、みはりはおしゃれに無頓着。そんな彼女が金色の髪留めを妙に丁寧にセットしたり、その髪留めにやけに優しく触れたりするのだから、これは気になる。
多くの鑑賞者は「この髪留めは何なのだろう?」「何か由縁がありそうだぞ」「誰かにプレゼントしてもらったとか?」と疑問を抱いたに違いない。
そして、疑問を抱いたからには答えを知りたくなるのが人情というものである。
かくして私たち鑑賞者の視線は画面に釘づけになる……!
つまり、【「キャラAはおしゃれに無頓着→その割には、愛用している金色の髪留めを妙に丁寧にセットしたり、その髪留めにやけに優しく触れたりする」という展開によって「この髪留めは何なのだろう?」「どんな由縁があるのだろう?」といった疑問を喚起し、読者・鑑賞者の好奇心を刺激する】というテクニックである。
なお、金色の髪留めの由縁は第3話終盤で明かされる。
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