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#詩

絶望したとき

絶望したとき

新しい年が明けて

みんなが幸せな時間を過ごしたり

新年に期待を寄せている

そんな中

失恋や敗北で

人生に絶望している人も

いるかもしれない

かつての私のように

自分がわからなくなったら

目をつぶって

深呼吸してみてほしい

これまで辛いことがたくさんあったかもしれない

この先はどこまでも暗く黒く感じるかもしれない

でもよく思い出してみて

小さくても幸せな思い出もあったでし

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雪を見る

雪を見る

心が疲れたら

雪を見に行こう

雪ほど

人の心を静かにするものはないよ

雪ほど

人の心を癒すものはないよ

山の壮大な雪景色を見れば

小さな不幸は
さらにさらに小さなものになるよ

顔や手に降り注ぐ雪に触れると

今そこにいることに
ただただ
感謝できるよ

雪

雪はどうしてこんなにきれいなの

上から下に降るからなのか

白いからなのか

ふわふわしているからなのか

冬しか見られないからなのか

いくら見ても飽きないよ

まぼろしとげんじつ

まぼろしとげんじつ

青い空がどこまでもどこまでも続く
冬の日
冷たいコンクリートの上を
履き慣れたスニーカーで歩く

息がマスクから漏れて顔に触れ
息の温度と空気の冷たさの違いが
心地いい

歩く 

歩く

歩く

携帯の通知だけが何度も私を現実に連れ戻す

私と現実をつなぐのは、それだけ

そう思ってふと、電源をオフに

現実と私のつながりはプツンと切れた

私の体は宙に浮いたようにふわふわして

軽くなる

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人に優しく

人に優しく

明日私は死ぬ
そう思って人に接したら
優しくなれた
私は先に行くけど、
あなたはまだここで頑張ってねと
応援したくなった

星のようなあなた

星のようなあなた

星のようなあなた

めずらしいあなた

あなたを見ると

わたしは夜空の星を思い出す

あなたはキラキラしていて

でもどこか孤独だ

きらめきの影に

悲しみがひそんでいませんように

だってわたしはあなたに触れることができないのだから

散歩道

散歩道

あなたと二人で歩く散歩道

ピンク色の夕日

顔を出したばかりの月

そよそよと木々をゆらす風

手をつないで歩く老夫婦

おなかをすかせて家路を急ぐ子どもたち

道ばたでくつろぐ猫

見えるもの

聞こえるもの

触れるもの

そのすべてが

しあわせだ

秋の予感

秋の予感

むかし むかし

金色に輝くいちょうのじゅうたんを歩きながら

あなたは大きく大きく秋の空気をのみこんだ

”秋って好きだな

一番好きだな”

そう言って嬉しそうに空を見上げた

気持ちの良い風が

わたしの頰をなで

予感を運ぶ

ああ

10年後も20年後も

あなたが秋を迎える姿を

わたしは近くで眺めているかもしれないと

そして今年もまた

あなたの好きな秋がきた

わたしは今も

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午後十時

午後十時

朝起きて朝食をつくり

子を送り

夫を送り

朝食の片付けをし

洗濯をし

掃除をし

夕飯のことを考え

洗濯を畳み

子を迎えに行き

夕飯の支度をし

夕飯を食べさせ

夕飯の片付けをし

明日のお弁当のことを考え

風呂に入れ

宿題を見て

絵本を読み

寝かせる

ふと我にかえる午後十時

はぁ と小さな息をはく

人の人生を生きている

自分を一日中見失っていたと気がつく時間

雨

雨が好きだ

しとしと降る雨

心にすんすんと染みわたる

昨日あった嫌なことも

恥ずかしかったことも

慰めてくれる

優しく洗ってくれる

だから明日晴れても

また元気に始められる

あなたへ

あなたへ

あなたと一緒になってから
37年が経ったね

でもわたしは
あなたのことがまだよくわかっていない

一番わかっているようで
わかっていない

あなたが生まれてきた理由も

あなたがやりたいことも

今の人生を本当にあなたが望んでいるのかも

あなたが好きな人も

あなたが嫌いな人も

わからない

何がしたいの?

何が好きなの?

誰が好きなの?

と聞いても

あなたは答えない

いつかあなた

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夜中に目が覚めた

カーテンのすきまから
月がのぼるのが見えた

しんとした寝室で
そっと

輝く月を眺める

あなたも一人なのね

私も一人なのよ

みんな一人なんだ

異国の夜

別れてからどれぐらいの月日が経ったかしら

なまあたたかい風が吹く夕方は
あなたのことを思い出します

慣れない異国の地で
わたしの理解者は
たった一人あなただけでした

あなたに会うのは
いつも夜空の下だったね

夜のプールで
抱き合ってキスをした
甘い時間

夜市の中
わたしの前を歩いて進むあなたの背中を
必死で追いかけた夜

会えない日は眠れなくて
夜中に何度も携帯を見て
むなしくなりました

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無題

どうして生まれてきたの
その答えを見つけるために
歩いている

どうして出会ったの
別れのたびにそう思う

この人生は、
君に会うためだったんだ
そう言ったあなたは、ここにいない

つかの間
あなたは私の太陽だった

あなたのために起きて
あなたのために眠った

あなたに会えれば悲しみも消えて
あなたと別れるときは寂しくなった

あなたは私の太陽だった

ずっと一緒だと思っていたのに
ずっと手を繋

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