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え?まさかやってない? 修正地獄にならない案件の進め方
フリーランスの人、クライアントワークを始めた人で、クライアントの言われるがまま”変更”という名の修正ループに陥っている人、いませんか?
「クライアントワークってそういうものだし...」
「重要なクライアントだから強く出れないし...」
「クリエイターなら、とにかく最高の物ができるまで試行錯誤することが大切!」
委託契約なら、双方が納得する契約であれば基本OKなので、結局のところ、作り手がOKなら、どれだけの修正量があっても問題はありません。
クライアント側は、むしろ無料でいくらでも修正してくれる方が助かります。ディレクション力が低くても、クリエイター側の不備ってことにしちゃえます。
また、普段から、無料で変更サービスしてあげている人ばかりに依頼しているクライアントだと、変更自体が無料だと考えているところもあるでしょう。
それでも、受注側がOKなら特に何の問題もないのです。
うーん、それはちょっと...と思うなら、主体的に&段階的に進めましょう。
● どうやって進めるの?
まずはいつも通り、完成物のヒアリングをして、認識を合わせます。
次に、全力を入れて作り始める... のは絶対NGです。
「でもクライアントが、イメージがつかないからとりあえず全体をザッと作ってみてって.....」
口頭のやりとりではイメージがつかないのは確かにそうです。が、全体をしっかり作り上げなくても、イメージ確認はできます。
たとえばデザイン系なら、Pinterestなどで、コンセプトに合う近しいイメージをいくつかピックアップしてみてください。
「ランディングページ」と検索すると、こんな感じでランディングページのデザインが色々出てきます:
「バナーデザイン」だと、こんな具合に:
相当なオリジナリティーを追求するわけでなければ、デザイン系は、Pinterest、dribbble、Behance、まとめサイト、Google画像検索などで近しいイメージが結構見つかります。
映像なら、YouTube、vimeo、iStock、envatoが見つかりやすいです。
映像はデザイン系に比べて、検索してもドンピシャなものが見つかりにくいので、日頃から良さそうなものを見つけたら、都度ブックマークしておきます。フレンドリーな雰囲気とか、クールな雰囲気とか、製造系とか、ある程度色々なバリエーションを揃えておくと、必要なときにすぐ引き出せます。
クライアント側がこんな感じで〜とピックアップしてくれるときもありますが、クリエイター側の方が大抵多くの知見を持っていると思うので、クリエイター側が「こんな感じの方向性ですか?」とピックアップする方がスムーズです。
そのほうが、クライアント側も「しっかり認識してくれている」と安心してくれやすくなります。
もしここで、イメージと違う、となった場合でも、再度検索するのは作るほどの手間はかかりません。(作った方が早い場合は全然作っちゃってOKです)
そして、じゃあこんな感じだとどうですか?とまたいくつかピックアップしてあげて、何が刺さらないのかを導き出しつつすり合わせていきます。
もしお互いのイメージが合ってない段階で作り始めても、やり直しになる確率が高いです。
ちなみに、サイトのリニューアルや改修などで、コーディングまでできる人は、実際に公開されているサイトがあるはずなので、ChromeのディベロッパーツールでCSSをいじって、仮イメージを見せて見るのもおすすめです。
(noteをダークモードに変えてみました😊 所要時間約1分)
これはそんなに手間がかからない割に、実際に見て把握できるので、お互いに議論を進めやすいです。
...そうして、イメージをすり合わせたら、全部作り...ません!!!
バナーや軽めのものなど、作り直しがしやすいものなら、もう作り始めても良いと思います。
サイトや映像、枚数の多いパンフレットなど、作り直しが大変なものは、まず作るのは、ワイヤーフレームや構成などです。
すでに構成の指定があるものなら、
ファーストビューやメイン部分の1パターンです。
ワイヤーや構成の場合も、まずは1パターンかつ1枚のみを確認してもらいます。
そこで、クライアントから「これでOK」とサインが出たら、始めて次に取り掛かります。
必ず、段階ごとに「これでOK」の意向を確認してください。(できれば記録に残る文字で。証拠のため、後から消せるチャットはスクショ推奨)
私はクリエイターでもありディレクションもしますが、量のあるものは、最初から絶対に全部作ってもらわないように、1部分1パターンのみ少しずつ確認するようにしています。
そうすると、明らかな作り直しは発生しません。クライアント側も「思ったのと全然違う!!😱」というのは発生しづらいし、もしそうなっても早くわかるので、早く軌道修正ができるようになります。
一見、細かすぎるとか信頼感がないように見えるかもしれませんが、修正する方も、修正点を書き出して、依頼して、戻しをチェックして...というやりとり・確認はそんなにラクなものではないので、お互いに確認しながらが、互いに安全安心・スムーズです。
依頼する側も、最初のアウトプットがしっかり確認できれば、結構安心して任せられます。笑
また、メインの1パターンが分かれば、全体がどんな感じに仕上がるか、大まかな方向性はまあまあ把握できるものだと思います。(できない?)
配色パターン出しもファーストビュー+@だけの2パターンぐらいなら、そこまで大層な時間はかからないかと思います。(もし時間がかかるなら、なるべく時間がかからず、イメージが確認しやすい箇所がどこかを提案するようにしてください)
それでも、しっかり仕上げたパターンをいくつか見て比較したい、と言われたら、そのパターン数分の料金を見積もりすればOKです。作れば作るほど金額が加算されていくボーナスタイムです。
流れをまとめると、
全体のイメージの方向性チェック(URLや画像などを送る
↓
(構成から必要な場合)構成やワイヤーの1つめチェック
↓
(構成から必要な場合)構成やワイヤーを全部反映
↓
ファーストビューや1ページの1パターンだけ、一部分だけを作成→チェック
↓
OK🙆:異なるパターンがあれば、1つ1つ作成→チェック
NG🙅♂️:OKになるまで、その1パターンだけ調整→チェック
↓ <⚠️必ずOKの確認を取る⚠️>
全体に適用
この後からの大幅な修正は、誤字や、OKを受けた制作物とのズレなど受注側のミス以外は、クライアント都合の「変更」「追加」扱いとします。
たとえば、ファーストビューでOKをもらって、全体を作り終わった後に「上司がNGを出したからやっぱりファーストビューを作り直して!」となったら、前段階でOKをもらっている(証明ができる)以上、「ん?明確にOKもらいましたが..?」って言えます。(※受注側の勘違いでなければ)
下請法では、あらかじめ互いに合意した制作物の受け取り拒否や、明らかに質の悪い納品物以外は、下請代金法第4条第1項第1号、第3号などで、発注側は受領・返金・減額を拒否できません。(..ここテストに出ます!!)
受注側に納期遅延があってもある程度は有効ですが、立場が悪くなるので、締め切りオーバーしての納品はやめましょう。「締め切りに遅れたあなたも悪いので、こちらの都合を多少聞いてもらってもいいでしょ」と言いやすくなりますし、「確かに自分にも過失があるし...」と断りにくくもなります。
また、あとでどこからを「変更」「追加」扱いとするかは、最初の見積もりの段階から明確にします。
クライアントは全員が全員、クリエイターと同じぐらいの知識があるわけではないので、どういう修正が大変なのかはわからないことも。
よく、色の変更は簡単そうと思われますが、100ページに5か所ずつあったら、計500箇所の変更になり、なかなか大変です。
UIのコンポーネントなど、一気に変更できる場合もありますが、そういう仕組みがあるのかないのかは、クライアント側は知りません。一気に変更できたとしても、きちんと全部変更されたか、確認するのは結局大変です。
が、知識やノウハウのないクライアント側がその辺りをマネジメントできるとは限らないので、確実に知識やノウハウを持っている受注側に説明責任があります。そもそも、クライアント側が十分なノウハウを持っていたら発注していないかもしれません。
戻しが大変になりそうな作業がどういう点なのかは、制作物や作り手にもよるので、そういう点は、あらかじめ「別途」と明記しておくのが、受注者発注者お互いにスムーズです。
見積もりが手間なら、細かい要件が決まった段階で、「ここで互いに合意した方向性・要件以外は、都度別途見積もり」で通ります。(見積書の備考欄などに明記できます)
何より、きちんと説明して、あらかじめ明記しておくと、クライアント側も「追加・変更にならないように、ちゃんと判断しよう」という姿勢になってくれやすいです。
後からいくらでも無料で変更できるか、明言されていないなら、「まあとりあえず様子見て、あとでちゃんと決めればいっか!」という人も出てきます。
知らなかったからといって褒められたものではないですが、知見がありながら、明確に言わなかった方も言わなかった方です。金銭の関わる健全な契約は、例外なく先出し説明です。
(ただ、システム開発で最近多くなってきているアジャイル型だと、最初に全体を見積もることは難しいので、月額固定か、ベンチマークや要件をもとに、追加変更に応じて都度見積もりを出すか、運用を内部にするのが現実的になるかと思います。)
*
受注側は、ケチだと思われたくない、とか、案件を取りこぼしたくない、とか色々事情はあるかもしれませんが、無料で作業すればするほど、時間あたりの単価は下がります。
時給換算すると、300円ぐらいになってしまうことも。。
0円よりは良いから、と頑張る人もいますが、営利目的でずっと続けるなら、無料で対応すればするほど、コンビニでバイトする方がまだ利益になったりします。(最初の実績づくりにとか、趣味・ボランティアでとか、1000万ポンともらうなら全然良いと思います)
ちなみに、業界あるあるな「完成後のイメージが分かるまで料金を払わない」が通るなら、ラーメン屋で豚骨ラーメンを注文して一口食べてみた後に、「やっぱり思ったのと違うから、醤油ラーメンにして!」が通るはずです。
ラーメン屋に行ったことがない人はわからないかもしれませんが、テーブルに置いてある無料の調味料以外、何かを追加するのは大体ふつうに有料だったりします。
ラーメン屋に行ったことがない人、疲弊しているクリエイターのみなさんは、ぜひラーメン屋に行ってみてください。🍜
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