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くるくるパーマの男の子⑧

その日は平日だったから人もそんなに多くなかった

会わなかった期間の話とか
『私は馬刺しが大好物なんだ』とか

『今日は、ちょっと…気合を入れたかったから休みの日に親友(耳元で叫んできた猿)と服を選んだ…』と大きい水槽を目の前にし色んな話をしていた

心の中で
「いや、女子かよ!!!」
ってツッコむ自分がいたけど
でも会わない時間にも考えていてくれていたんだと少しずつ彼に惚れていく

立ち上がって、1階フロアにいる魚達を見に行く

少し先に歩く彼の手元を見た


いいよね


さっき、恋人になったんだし…

(いけ!!!!!)


「手…。繋ご…」

差し伸べた手をもう一つの手で重ねギュッと握られる

私は早く彼とこうしたかったのかもしれない



出会ったその日に体の関係を持ってしまった彼とは
正直、もう会わないつもりでいた

朝帰り、手を振ってバイバイしたその瞬間で
「もうこの人とは会わない」って。

でも


忘れられなかったことが一つだけあって
思い出すと少しだけ口角が上がる


曰く付きのホテルで大きな物音がして汗だくで
寝れなかった夜に後ろから守ってくれるように抱きついてくれたり頭撫でてくれたり。


とりあえず彼の温もりが温かった

それは今まで感じたことがない温度


こんな大きい物音がして起きないのは流石にアホすぎると思っていたけど、あの日他の人じゃなくて彼で良かったと、付き合わなくても思っていたのかもしれないな


本当に珍しいよ私達は  



そして水族館の帰りにガチャガチャをした
組み立て式のアクリルフィギュア。


私は海月
 

彼は蟹


後日、電話でどっちが早く組み立てられるかっていう勝負をして組み立て、お互い自撮りをして写真を送り合った。


この前、彼の部屋に置いてある蟹を久々に見たら…



分解されてました笑笑


猫に壊されたらしいです。

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