くるくるパーマの男の子⑦(お返事)

カフェのあの人の事は私の中で完全とは言える程ではないけれど、思い出す事も時々で

そんな私はとてもパーマくんに会いたくなる

(早く伝えたいな)

私はまたあの時とは
違った自分がいて少し自信がついた乙女な女になっていただろう

………………これって恋?

DM


パーマくん「いつ行ける!?休みの日は予定入ってる?」

ここで明確にわかったんだ、彼とは休みの日が合わないということに。


これはだいぶ先になるのかな笑
とか思いながら、「休みは基本的に火曜日なんだ」と返す

そんなパーマくんは
貴重な有給を取って私に会いに来てくれるって

文面ではいつもより少し落ち着いたメッセージを返していたけれど心の中では自分でも驚くほど楽しみだったと思う

それは私自身も薄々気がついていた


「楽しみしてるね👍🏻」と送られてくる


やり取りを一旦終えた私は彼になんて伝えようかと考えていた


そんなの簡単にYESかNOのどちらかで答えればいいのにすごく真剣だった。


勘違いしてほしくないのは


上手く行かなかったカフェの人の"代わり"とか
変な意味として捉えられたくなかったから。



ちゃんと今の状況や気持ちを伝えて
真っ直ぐこの恋愛に向き合いたい


そう思った


水族館当日𓆡 ⋆


私は激しい腹痛に襲われた


昔から過敏性腸症候群な私はこういう大事な日に起こる事が多い


即彼に腹痛で少し遅れると連絡をした


そんなキミは優しくて気をつけてねと私に言う


1時間ぐらい遅刻してしまった

罪悪感と共に駅の前で待つ彼の顔を伺う

「大丈夫…?」


「うん!ごめんね、、、少し休んだら落ち着いたよありがとうね。」

1回目も2回目も仕事終わりだったから
全身真っ黒のスーツとパンプスで会っていたけど今日は違う。

私服の私

メイクもいつもより凝っちゃって…笑


「こういうの着るんだ意外〜!似合うね」


ドキッ…


なんて言われたけど


どこが意外なんですか!!!!


そんな会話をしながら二人は水族館に向かう


入口付近の水槽には綺麗な海月がふわふわとたくさん泳いでる


私「ねぇ、知ってた?」


「ん?」


暗く青い光が彼の顔を照らす


私「海月って感情無いんだって。」


「海月は脳がないからね。」

そう言ってしゃがんで下の水槽にいる海月を見つめる彼


(割と詳しいんだな…)


珍しい水槽の中にいる海月を背景全面に
腕を思いっきり上げて私は彼とツーショットを撮った

お互いすごく不細工だった…笑


館内をぐんぐん進んでいくと映画やドラマでも見たことのある大きい水槽があってその近くにソファが設置されていた


そこにいる魚達は随分と優雅に泳いでいる
 

(気持ちよさそう…)


その近くにある売店で

すみだ水族館オリジナルの…

チンアナゴパン…笑

二人してチンアナゴを食べながら


今しかないと思ってチンアナゴパンを一旦テーブルに置く

彼に体を向けて



「あ、浅草の時の返事、、なんだけどさ」


なんだか恥ずかしくて
あまり顔を直視できないから

パーマくんの服に目線をやった


「私、、」



「〇〇〇くんが思ってるほど、全然素敵な人じゃないし、、、浮き沈み激しくて最高に面倒くさいし、、」



せっかく楽しい水族館デートなのにこんな暗い話しちゃって。


なのにずっと話を聞いてくれるんだ


「でも、あれからちゃんと向き合って気づいたら、、好きになっていて、、、」


水槽の方に目線をやるパーマくん


「私で良ければ、、、よろしくお願いします、、」


またこちらに視線を向けたパーマくんは少しさっきより目が開いているように見えた



「よろしくお願いします、、、。笑」


そう言って、サメやエイ達がスイスイ気持ちよく泳ぐ水槽の前で握手を交わした。




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