夜道

わざと遠回りして帰る
夜に一人でハンドル握る気持ちは
アクセル踏み込むこの足の重みは

暗い夜道の先がどこに繋がるのか
あの街灯のない道をまっすぐ進んだ先
暗い夜道の先がどこに繋がるのか
白い案山子が風で揺らいでいる

わざと遠回りして帰る
わざと知らない道を選ぶ
わざと薄暗い気配を辿る
「はやく連れて行って」と相変わらず

表面張力
震える水面
いくつかのこと想像して泣きながら
表面張力
震える水面
あの幸せもこの幸せも
どうして私だけが愚かなままなのです

暗い夜道の先はどこに繋がるのか？
あの街灯のない道をまっすぐ進んだ先
暗い夜道の先はどこで途絶えるのか？
細る道その行く末の気配を読む
私はこのまま何処へ向かう気なのか
張り詰めていくか細い糸が
私はそのまま何処を求めているのか
また捨てきれない明日のことが過る

表面張力
震える水面
一度に零してしまうくらいなら
表面張力
震える水面
あの幸せもこの幸せも
表面張力
表面張力
視界もつられて歪みに歪む
表面張力
泣き叫ぶエンジン
私もつられて
私もつられて

今日もまた引き返して帰らざるをえない
いってしまうなと引き止める声共
明日もまた私はきっと
一体いつまで愚かなままなの

わざと遠回りして帰る
家の場所まで探り当てないで
お願い後をつけて来ないで
夜に一人でハンドル握る気持ちは
アクセル踏み込むこの足の重みは

.

(2018.04.30)

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