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私を形作ったもの 第二弾 僕の心のヤバいやつ



はじめに

 前回の君に届けは如何でしたか?読んで貰えると嬉しい限りです
 今回は、前回に況して、置きに行った印象が強いかもしれませんが、沢山の人に読んで貰う為には、これ位がいいのかもしれません。
 今回はマンガクロスで好評連載中の「僕の心のヤバいやつ」について、語って行こうと思います。
 ネタバレは抑えたいですが、少しでもあったら、ごめんなさい。其処は大目に見て貰えると嬉しいです。
 それでは、最後まで、宜しくお願いします。

第二回 僕の心のヤバいやつ

きっかけ 

クソデカ感情の最果て。勿論、九巻も予約済み。
買う所は統一しろよ。
桜井先生のイラストが凄く良いデス。この話が原作の今後を描いていたりとバカに出来ない内容となっています。

何気なく、TLを眺めていたら、桜井のりお先生のイラストを観たのが、きっかけでした。この投稿がきっかけじゃないんですけど、面白いなぁと良い感じに誘導され、気付いたら、電子書籍で全巻購入してました。
 この作品は君に届け同様、恋愛を主軸に描いているまでは同じですが、どちらかと言えば、ギャグに振り切っています。その分、シリアスの際は、ヤバいんですけども。
 
 大まかなあらすじを話すと陰気で中二病を患う中学生の市川京太郎(以降京ちゃん)とクラスカーストの上位に位置する中学生とは思えない美貌の持ち主の山田杏奈(以降杏奈ちゃん)の2人が、とあるきっかけを境に成長し、恋を知って行く中で、様々な自分と葛藤していく物語となっています。

本作の魅力

 この2人が築いていく関係性を巻数を超えて、成長していく様を見られるのが、凄くリアリティがあって、いいんですよね。
 最初はしゃべるような関係ではなく、別の世界の住人だった二人が、話数を重ねる毎に、お互いがお互いを支え合う関係になっていくのが、とても尊い。

 京ちゃんは、陰キャではあるものの、受験を失敗して以降、自分への自信が無くなってしまいます。
 それから、おかしな思考の人間を装うことで、誰にも、構って貰いたくないけれど、誰かに助けて欲しいとコールサインを出して、独り閉じこもる中学生生活を送ることに。

 一方の杏奈ちゃんは、クラスの人気者で、中学生離れしたスタイルの持ち主。明るく元気で、何処か天然の女の子。とてつもない食いしん坊で、少しずれた感覚と好きな人の前だと、独占欲強めな所が玉に瑕。
 その顔ともう一つ、別の顔として、モデルをやっており、仕事に関しては、プロ意識が高く、その考えは京ちゃんも意識する程。
 
 本来であれば、交わることも無ければ、関わることも無かったであろう2人は、些細なきっかけで、関係を持ち、最初は大したことではなかったけれど、いつしか、互いが互いを必要とし、支え合い、時には理解し合う存在となり、それは男女と言う性別を超えた絆を持つことになっていきます。

 この関係性が、凄く好きなんです。最終的に付き合わないといけない呪いが欠かせないラブコメ。絶対にこの推し同士でないと怒られるラブコメに於いて、この作品の男女の関係性が今時らしくて、とても好きでした。
 前にも書きましたが、男だから、これをやれ。女だから、こうでないとイケないという固定概念を直接的に表現するのではなく、繊細に優しく表現しているのが、凄く好印象なんです。

 ギャグ要素で言うと結構、攻め攻めなんですよね。君に届けのように、綺麗な感じではなく、中学生のリアルを体現したような生々しい下ネタや天然な杏奈ちゃんを突っ込む京ちゃんが良いアクセントになっています。
 下ネタ要素満載ではありますが、全然下品に聞こえず、爽やかさがそれを打ち消して、いい塩梅になってるんだよなぁ。
 会話のやりとりも秀逸で、中には伏線になっている要素もあるので、見逃せない要素いっぱいなんだよなぁ。

優しさの理由

 話の流れは、真面目な京ちゃんを、ドジな杏奈ちゃんがフォローするのが、この作品の好きな所。基本は、誰かが傷つく位なら、自分が傷ついて、事を荒立てたくないのが、京ちゃんの本質です。その所為で、結構な酷い目にも遭うんですけども。
 どうして、其処までして、杏奈ちゃんをフォローするかと言えば、勿論、好きだから。好きだからこそ、支えたい、守りたい、助けたいという気持ちが彼を動かしています。
 杏奈ちゃんだけでは無いけれど、他人に気を遣える人で、こんなに優しいけれど、優し過ぎるが故に、杏奈ちゃんはそんな彼を支えようとします。

 それまでは、京ちゃんだけだった優しさが、いつの間にか、杏奈ちゃんが優しさを与えるようになり、人によくしていたら、それは巡り巡って、自分に帰って来る幸せの好循環とでも、申しましょうか。
 杏奈ちゃんも後に京ちゃんのことが好きと自覚し、不器用ではありますが、優しさを与えるようになり、独りと思っていた彼の心を救っていくことになります。
 
 京ちゃんの自己肯定感の低さの背景には、過去の経緯が大きく、どうしても、自分を卑下し、守りに入ってる所が大きな要因となっています。
 杏奈ちゃんの為に山の写真を撮ろうとした際、京ちゃんは大怪我を負いますが、杏奈ちゃんは笑ってくれると本気で信じていました。
 しかし、それ所か、杏奈ちゃんは彼を激しく心配します。この回は、思い出しただけでも、目頭が熱くなるというか、僕も凄く共感出来るというか。

 京ちゃんは自分の過去があるからこそ、誰かに傷ついて欲しくない気持ちとしょうもない話だろ?と自分を下に見ている傾向が顕著です。
 そういうところを杏奈ちゃんは支えたいし、本当の所はそういう所を全て受け入れて欲しいという現れでもあるんですけど、其処が何とも愛おしい。

 杏奈ちゃんと言う人は、男子に対してのガードが固く、基本男子に触れることを拒否している傾向が強いだけに、どれだけ、京ちゃんに懐いているかが、分かると思います。
 最初の頃は、杏奈ちゃんも随分と京ちゃんに関して、結構、ぞんざいな扱いをしていた時期もあったけれど、これも全て、この2人が積み上げて来た時間の証なのかもしれませんね。
 それはきっと、普通の男女の関係になった人でも、難しいことかもしれないし、それがきっかけで、別れるみたいなこともあると思うので、誰かに優しくするって、とても難しくて、大変なことかもしれません。

 最初は下心だったかもしれないけれど、色んな経験や時間が、2人の絆を深め、読者の心を此処まで惹きつけたと思うとこの作品はただのラブコメじゃないんだなと心底、思います。

個人的推しエピソード

  アニメだったら、【karte4】僕は心の病、【karte6】僕は溶かした、【karte9】僕は山田が嫌い、【karte10】僕らはゆっくり歩いた、【karte12】僕は僕を知ってほしい がお気に入りです。
 皆は6話のチョコの場面を推すでしょうが、個人的に僕は6話なら、杏奈ちゃんが自覚する場面が一番好きです。あの表情が可愛すぎて。

 中でも、僕は山田が嫌いは原作読んでた時から、結構、心に来てましたね。好き同士なのに、どうして、こうも上手く行かないんだろうと。
 2人は付き合っていると勘違いされ、それを誤魔化す杏奈ちゃん。自分のことを好きになる人は居ないと決めつけ、彼女の行為を利用されたと勘違いする京ちゃんのすれ違いが描かれております。

 実際は、京ちゃんが自分の殻に籠り、傷つかない為に取った防衛策であり、そうでないと自分が自分でいられなくなってしまうからというのが、余計に辛いですね。
 最終的に、杏奈ちゃんの気持ちに気付いて、仲直りのハグによって、和解するんですけども、この流れが余りにも、綺麗過ぎて、本当にしんどい。
 好きな人にはとにかく、心を開く杏奈ちゃんですが、好きでもない、あからさまに好意を示してくる男子に対しての拒絶感が強いだけに、このハグをすることが、杏奈ちゃんの最大にして、最高の愛情表現だと分かります。

 一方の京ちゃんは、自分自身への劣等感や自己肯定感の低さから、そういうくっつく行為をされて、他の人に変な誤解を与え、杏奈ちゃんに変な噂を立てられたくないという所から、触れられる行為を嫌がっていました。
 本当はそれは建前で、自分が傷つきたくないからの言葉であって、実際は触れて欲しいし、優しくして貰いたいが答えなんだと思います。

 けれども、そうは言えなくて、言ったら、拒否されて、益々、傷つくことが目に見えているので、そういう言い訳を作って、自分を守る京ちゃんの気持ちは、誰もが一度は抱く感情であって、決して間違いではありません。
 しかし、それまでの自分から、脱却し、杏奈ちゃんの優しさを受け入れる場面はもう、涙なしには見られない場面でしたね。
 
 全てを拒み、何かにつけて、理由を言ってた京ちゃんが此処でようやく、自分自身の心に正直になる場面は結構、心に訴えて来るものがありました。
 杏奈ちゃんの優しい涙やそういう人じゃないと分かっているからこそ、その愛を正面から、受け入れてくれる存在に出会えたその瞬間、それまでは仲のいい男女だった2人が絆を得て、真に大切な存在に変化していくのが、凄く好きなんだよなぁ~。

 その後の帰り道も好きですが、2人を繋いだ君色オクターブもいい味出しているので、とにかく、この話数だけは、お勧めですね。

 他には、原作のエピソードになるので、控えますが、基本は笑えるエピソード多めなんですけど、時折来る泣き回、きゅん回との温度差にいつも、風邪を引いています。
 原作はまだまだ、続いていて、言いたいことは沢山あるけれど、これ位にしておきましょう。ちゃんとアニメでも、提示されたら、ちゃんと説明したいなぁとは思っていますが。

推しキャラ

 一押しは勿論、杏奈ちゃんと京ちゃんのこのコンビが一番好きですね。当然です、メインですから。そりゃ、そうだなんて言わないでくれ。

 その他だったら、個人的に京ちゃんのおねえこと、香菜さんですかね。馬鹿な格好も多く、変な人みたいに見えますが、まともな方で、からかいもしますが、ちゃんと京ちゃんを応援してあげている所が凄く好きです。
 最近の話数にて、実はいいとこの大学を現役合格したことが判明したり、もしかして、モテてるのでは?という疑惑から、歌出したりとどんどん、色んな属性が付与され、原作者桜井のりお先生の愛を一番受けているキャラなのではないでしょうか?

 他にも、色んなキャラが居ますが、杏奈ちゃんの親友で、しっかりしているように見えて、恋愛ポンコツ面白女・小林ちひろやビッチや計算高い場面が多く、2人の関係を知りながらも、実は初心?が疑われるいい女こと、関根萌子、ヤンキー気質ながら、面倒見がいいものの未だに京ちゃんを許せてない最後の砦こと、吉田芹那と言った様々なキャラがこの作品には登場します。
 個人的に、杏奈ちゃんが好きだけど、彼女がいる二年生編のラスボス・ナンパイこと、南条ハルヤがヤバすぎたというか、島﨑信長さんの演技がきつすぎて、とんでもないヘイト要員になりました。
 本当にムカつく、腹立つ、苛々すると思うとこれからの展開を知っているだけに期待しかありませんね。

まとめ


 君に届け以降、男女の成長物語に対する感情の重さがヤバい僕にとって、この作品が与えてくれたのは、青春時代の色んな思い出です。
 僕の青春時代は、此処まで綺麗なものではなかったんですけど、だからって、何も無かったわけでも無いし、京ちゃんを見ていると他人とは思えなくて、何処か、あの頃の自分を思い出してします。

 この作品が更新される度に、生きてるなぁとついつい、考えこんでしまいます。ちゃんと見て、考察もしたくなってしまいます。深読みとか、少女漫画の読みすぎで、頭がパーになっているかもですが(笑)。
 誰かに優しくしてあげることや、人と人との出会いでしか、物語は出来なくて、様々な経験が、その物語に厚みを与え、それは痛みを伴うかもしれない、失敗するかもしれないけれど、色んな自分と向き合い、色んな自分を知ることでしか、得られない物があるんだなと教えてくれる作品となっています。
 これからの僕ヤバがどうなるかは、分かりませんが、最後の最後まで、追い続けて活きたい限りです。
 この作品が好きな方、共感してくれる方、推し話数がありましたら、コメント欄で教えて貰えると嬉しいです。
 最後にアニメの名言だけをまとめておきましたので。

 それでは、第三回「鋼の錬金術師」で会いましょう。
 さようなら。

名言まとめ

 山田杏奈ちゃんの名言

「市川って、面白いね」

「中学生だからしょうがないとか、子供だからケガすることもあるとか」
「そう言われるのが…一番、悔しい!」

「うん! 最近お料理好きなんだ」
「お料理? まさか、”ねるねるねるね”とか”プルーチェ”を料理だと?」

「パピコって定番のコーヒー味とホワイトサワー味、どっちが好き?」
「(コーヒー味?) ほ~ん、変化を恐れるタイプだね」

「あっ、あと…”山田”でいいよ」

「うん、行く。図書室も行く、絶対」

「お菓子はちゃんと控えることにしたよ、3分の2に」

「(私はダメで) 自分はいいんだ」

「(台詞の練習?) もう言えない!」

「(用事?) ホント? 怒ってない?」
「あっ…ごめん、仲直りのハグ」
「近いの嫌だったよね…」

「実物も…見て」

「私の心は分かるかな?」

「だ…誰のおかげでもないと思うよ」

「だって、市川が自分で学校に来てなかったら」
「私やほかの子とこうしてしゃべることもなかったでしょう?」

市川京太郎くんの名言

「そうだ…僕と山田は、全く違う世界の人間なんだ」

「どうでもいい…どうでもいいな…どうでもいいだろ」
「僕は、頭がおかしいのか?」

「必然性のないことはしない」
「それがポリシーだ」

「お菓子を食べてニヤつける山田は…やっぱり、いつもの山田だった」

「あ~そうか 僕は本当に心の病なんだ 山田が…好きなんだ」

「あのー 授業中…山田しか見えない …から黒板がなかなか見えな…」

「最初から分かっていただろう ホントは…山田がそんな奴じゃないって! 嫌いになる理由が欲しかっただけなんだ 本当は欲しくてたまらないのに どうせ手に入らないから…一緒にいてどんどん好きになっていくのが怖いから…」

 「僕はお人好しじゃないし 頼みを断れないタイプでもない 死ねと思ったら死ねと言うし 嫌なことはイヤだと言う そんな人間なんだ だから…ようするに 楽しかった…んだと思う」

「ありません 俺がイヤだからです」

市川香菜さんの名言

「重く捉えないでほしいんだけど…ありがとうね 京ちゃんと仲良くなってくれて それがうれしんだ 私は」

原作のもいいたいけれど、この辺で。

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